グローバルサウス:資源国有化と地政学リスクが変える投資環境の最前線

2026年4月2日、グローバルサウス地域は、資源ナショナリズムの台頭、地政学リスクの増大、そしてそれに伴う投資環境の劇的な変化という、複合的な課題に直面している。特に中東情勢の悪化は原油価格の高騰とサプライチェーンの混乱を引き起こし、新興国の経済に二極化をもたらす可能性が指摘されている。本稿では、最新の報告書や動向に基づき、これらの変動がグローバルサウスの未来に与える影響を詳細に分析する。

2026年4月2日前後の地政学リスクと資源市場への影響

中東情勢の悪化は、世界の食料安全保障とエネルギー供給に深刻な影を落としている。2026年4月2日、国連西アジア経済社会委員会(ESCWA)は、中東地域情勢の急激な悪化により、世界の食料価格が20%上昇した場合、アラブ諸国の低・中所得国で新たに500万人が食料不安に陥るとの報告を発表した。これに先立つ4月1日には、国連貿易開発会議(UNCTAD)が、世界の石油・ガス供給の要衝であるホルムズ海峡で船舶航行が事実上停止していると指摘。3月1日から29日の間に同海峡を通過した1日当たりの船舶数は、2月1日から27日の平均に比べて95%減少したと報告している。

このような状況を受け、サプライチェーンの脆弱性への意識が急速に高まっている。4月2日には、Specteeが「地政学リスクから読み取る製造業サプライチェーンのレジリエンス戦略セミナー」の開催を発表した。このセミナーでは、ホルムズ海峡封鎖が日本の製造業に与える影響が主要テーマとして掲げられており、国際情勢の不安定さが企業活動に直接的な影響を及ぼす現実が浮き彫りになっている。

資源ナショナリズムの台頭と重要鉱物争奪の激化

電気自動車や再生可能エネルギー技術の普及に伴う需要の急増は、グローバルサウス地域における重要鉱物資源の権益争奪と国家間の戦略的連携を激化させている。2026年3月5日、国連は重要鉱物資源を巡る国際競争における公平性を呼びかけ、安全保障理事会で「エネルギー、重要鉱物、安全保障」について議論した。これに先立つ2月4日には、米国が「2026年重要鉱物閣僚会合」を主催し、重要鉱物およびレアアースの世界市場を再構築する方針を打ち出している。

JETROのレポートは、資源ナショナリズムを背景に、重要鉱物の輸出を制限し、国内での加工・製造を促進する政策が進められていることを指摘している。その例として、2020年のニッケル輸出禁止措置や、2022年2月にインドネシアで始まった「商品バランス制度」が挙げられる。これらの動きは、資源国が自国の利益を最大化しようとする姿勢の表れであり、国際的なサプライチェーンの再編を促す要因となっている。

政権交代と投資環境の変動:新興国市場の展望

原油価格の高騰と地政学リスクの増大は、新興国市場の投資環境に大きな変動をもたらしている。2026年4月6日に発表された大和総研のレポートでは、原油高・リスクオフ環境下での新興国の耐性が分析されており、原油の純輸出国であるブラジルは最も打撃が小さいとされている。一方、原油輸入依存度が高いASEAN諸国は、景気減速や物価高騰につながる可能性があると指摘されている。

ソニーフィナンシャルグループのレポート(2026年4月6日発行)も、中東情勢次第の相場が続き、原油高が継続すれば、豪ドルなどの資源国通貨が他の通貨に比較優位となる状況が続く公算があるとしている。

このような不確実性の高まる中で、グローバルサウス諸国は新たな協力関係を模索している。2026年3月27日に北京で開幕した「2026年グローバルサウス金融家フォーラム」では、より包摂的で持続可能な金融協力の強化が議論された。同フォーラムでは、グローバルサウスがグリーン投資における重要な拠点になりつつあると述べられ、中国をはじめとするグローバルサウス諸国には、ハイレベルな金融開放とグリーン金融連携の深化を通じて、ウィン・ウィンの協力関係を築く機会が与えられているとされている。

Reference / エビデンス