グローバルサウス:主要新興国の多角外交と政治的自律性

2026年4月1日、国際社会は激動の時代を迎えています。特に「グローバルサウス」と呼ばれる主要新興国群は、特定の超大国に依存することなく、多角的な外交を展開し、政治的自律性を追求する動きを加速させています。国際秩序の変動が続く中、これらの国々がいかにして自らの立ち位置を確立し、国際的な発言力を強化しているのか、その現状を包括的に分析します。

BRICSの拡大とグローバルサウスの台頭

グローバルサウスの台頭を象徴するのが、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の拡大です。2026年のBRICS議長国を務めるインドは、2月13日に公開された議長国としての議題やビジョンにおいて、グローバルサウスのレジリエンス、イノベーション、協力、持続可能性への貢献を強調しました。BRICSの拡大は、グローバルサウス諸国の国際的発言力を飛躍的に高め、既存の国際秩序に対する新たな視点と影響力をもたらしています。この動きは、世界経済における新興国の重要性を改めて浮き彫りにしています。

日本のグローバルサウス外交戦略

日本もまた、グローバルサウス諸国との連携強化に注力しています。4月10日に公開される「令和8年版外交青書」では、「多角的、重層的連携をリードする包容力と力強さを兼ね備えた外交」が日本の外交方針として明記される予定です。 経済界もこの動きを後押ししており、経団連は1月8日に「グローバルサウスとの連携強化に向けて」と題する提言を公表しました。 日本は、経済安全保障、政府開発援助(ODA)、政府安全保障能力強化支援(OSA)といった戦略的ツールを組み合わせ、グローバルサウス諸国との関係深化を図っています。外務省は2月26日に「ODA×OSAクロストーク」業務説明会を開催し、グローバルサウス連携のための戦略的ツールとしての両者の重要性を強調しました。

主要新興国の経済的自律性と国際金融市場の動向

主要新興国は、経済成長の加速とともに、国際金融市場における自律性を追求しています。国際通貨基金(IMF)が1月に発表した世界経済見通しでは、新興国の成長率が上方修正され、その経済的活力が改めて示されました。 また、国際金融市場では「米ドル離れ」への思惑が新興国市場に追い風となっています。野村證券が2025年12月11日に公開した分析では、この傾向が新興国市場の好調を後押ししていると指摘されています。 フランクリン・テンプルトンも2025年12月5日に「2026年の新興国債券市場の見通し」を公開し、新興国が経済的自律性を高めるための多様なアプローチを模索している現状を浮き彫りにしています。

米中競争とグローバルサウスの戦略的選択

米中間の競争は、グローバルサウス諸国に複雑な影響を与え、戦略的な選択を迫っています。情報技術・イノベーション財団(ITIF)が4月6日に発表したレポート「The Global Trade Battleground: US-China Competition in the Global South」は、グローバルサウスが「産業戦争の主要な戦場」と見なされている現状を指摘しています。 このような状況下で、グローバルサウス諸国は、特定の陣営に偏ることなく、自国の利益を最大化するための戦略的なバランス外交を展開しています。地経学研究所が4月2日に公開した「米中におけるチョークポイント「最先端半導体」と日本の挑戦」は、戦略的自律性確保のための技術的な取り組みの重要性を示唆しており、グローバルサウス諸国もまた、サプライチェーンの多様化や国産技術の育成を通じて、技術的自律性を高めようとしています。

多角的なパートナーシップと政治的自律性の追求

グローバルサウス諸国は、特定の超大国に過度に依存することなく、多角的なパートナーシップを通じて政治的自律性を追求しています。その具体的な事例として、本日4月1日にマクロン仏大統領が来日し、重要鉱物やモビリティー、エネルギー、宇宙分野での協力強化を提唱したことが挙げられます。マクロン大統領は「技術を大国に依存しない」ことの重要性を強調し、日仏首脳会談では戦略的自律性の強化が確認されました。 また、ベトナムの首相は1月8日の発言で、「戦略的自律性を強化し、国防と安全保障を統合し、経済の自立と自給自足性を高める」という明確な方針を示しており、これはグローバルサウス諸国が共通して抱く目標と言えるでしょう。

Reference / エビデンス