グローバルサウス:地域経済共同体の発展と貿易障壁の推移

2026年4月1日、国際社会におけるグローバルサウスの存在感はかつてないほど高まっています。経済成長と人口増加を背景に、世界経済におけるその影響力は増大の一途を辿り、日本を含む先進各国は、この新興勢力との連携強化を喫緊の課題としています。本稿では、グローバルサウスにおける地域経済共同体の発展に向けた日本の取り組みと、貿易障壁の現状、そして今後の展望について、最新の動向を交えながら詳述します。

グローバルサウスとの連携強化に向けた日本の政策動向

日本政府および経済界は、グローバルサウスとの関係強化を経済安全保障とサプライチェーン強靭化の観点から積極的に推進しています。2026年1月8日、経団連は提言「グローバルサウスとの連携強化に向けて」を公表し、グローバルサウスを市場拡大、サプライチェーン多角化、経済安全保障確保の重要なパートナーとして位置づける方針を明確にしました。この提言は、日本がグローバルサウス諸国との間で、単なる経済協力に留まらない、より戦略的な関係構築を目指していることを示唆しています。

経済産業省もまた、「グローバルサウス未来志向型共創等事業」を通じて、グローバルサウスとの連携を強化しています。この事業は、GX(グリーントランスフォーメーション)やDX(デジタルトランスフォーメーション)といった重点分野に加え、経済安全保障の確保に資する取り組みを支援することを目的としています。日本は、これらの政策を通じて、グローバルサウスとの間で互恵的な関係を築き、持続可能な経済成長と安定した国際秩序の構築に貢献しようとしています。

地域経済共同体の発展を促進する具体的な取り組み

日本は、グローバルサウスにおける地域経済共同体の発展を支援するため、具体的な事業を展開しています。経済産業省の「グローバルサウス未来志向型共創等事業」は、その中核をなすものです。特に、2026年3月23日には、令和6年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 ASEAN加盟国)の第二回公募における採択事業者が決定されました。また、令和6年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(大型実証 非ASEAN加盟国)については、2026年4月8日にFAQの差し替えが行われるなど、事業の円滑な推進に向けた調整が続けられています。

さらに、今後の重要な動きとして、令和7年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(小規模実証・FS事業)の公募が2026年4月17日から開始される予定です。この事業では、FS(フィージビリティスタディ)事業と実証事業を合わせて80件程度の採択が見込まれており、グローバルサウスにおける新たなビジネス機会の創出が期待されます。具体的な事例としては、2026年3月2日に大和ハウス工業がウクライナ復興支援のためのFS事業を開始したことが挙げられ、日本の企業がグローバルサウスの課題解決に貢献する動きが活発化しています。

グローバルサウスにおける貿易障壁の現状と課題

グローバルサウス諸国は、その経済成長の裏側で、依然として様々な貿易障壁や経済安全保障上の課題に直面しています。米国に見られる保護主義的な通商政策や、国際社会における「経済の武器化」の時代において、サプライチェーンの強靭化は喫緊の課題となっています。グローバルサウスは現在、世界貿易の約4分の1を占めるまでに成長しており、これに伴い、新たな貿易環境の変化への対応が求められています。

特に、重要鉱物に関する各国の戦略は、サプライチェーンの安定性を左右する重要な要素です。日本は、グローバルサウスとの連携を通じて、特定の国への依存度を低減し、サプライチェーンの多様化・強靭化を目指しています。これは、経済安全保障を確保し、持続可能な経済活動を維持するための不可欠な戦略と言えるでしょう。

今後の展望と日本企業の機会

グローバルサウス市場は、今後も人口増加と経済成長を背景に拡大を続けると予測されています。これは、日本企業にとって大きなビジネス機会を意味します。デジタルソリューション、農業資機材、環境関連技術といった分野では、既に日本企業の進出事例が増加しており、今後もその傾向は強まるでしょう。

日本貿易会は、2026年4月6日にセミナー「国際秩序の変動と日・ASEAN関係」を開催し、グローバルサウスとの関係深化に向けた議論を深めました。また、令和7年度補正小規模実証・FS事業のオンライン説明会が2026年4月23日に開催される予定であり、日本企業がグローバルサウス市場でのビジネス展開を具体的に検討するための貴重な情報提供の場となるでしょう。グローバルサウスとの連携は、日本の経済成長と国際社会におけるプレゼンス向上に不可欠な要素であり、今後の動向が注目されます。

Reference / エビデンス