グローバルサウス:資源ナショナリズムと産油国の輸出戦略(2026年4月2日時点)

2026年4月2日現在、世界のエネルギー市場は中東情勢の緊迫化、特にホルムズ海峡を巡る地政学的緊張によって大きく揺れ動いています。原油価格は不安定な動きを見せ、OPECプラス諸国は生産調整に関する議論を活発化させています。同時に、グローバルサウスにおける資源ナショナリズム、特にレアアースなどの重要鉱物資源に関する中国の輸出規制は、国際貿易と経済安全保障戦略に継続的に影響を与えています。

中東情勢と原油市場の混乱

2026年4月2日時点の中東情勢は、米国とイラン間の緊張激化が原油価格に深刻な影響を与えています。WTI原油先物価格は一時1バレルあたり120ドル近くまで高騰した後、停戦合意の兆しを受けて91ドル台まで急落する不安定な動きを見せました。しかし、米国とイラン双方の攻撃激化懸念が再燃し、4月2日にはWTI原油相場が1バレルあたり104.52ドル、北海ブレントが106.34ドルと急反発しました。

ホルムズ海峡の事実上の封鎖は、世界の原油供給に深刻な不安を増大させています。この供給不安は現物市場に特に顕著に表れており、4月7日には現物原油市場の指標であるDated Brentが1バレル144.42ドルと史上最高値を記録しました。これは先物市場との乖離が30ドルを超える異常事態であり、物理的な原油逼迫の限界に達していることを示唆しています。国際通貨基金(IMF)事務局長は、中東紛争の長期化が「すべての道は物価上昇と成長鈍化につながる」と警告しており、アフリカ開発銀行などが4月2日に発表した報告書では、中東情勢の長期化が2026年のアフリカのGDP成長率を0.2ポイント低下させる恐れがあると試算しています。

OPECの生産戦略とグローバル供給への影響

このような供給不安が高まる中、OPECプラスは生産戦略の調整を進めています。3月1日、OPECプラス加盟8カ国は4月から日量20万6,000バレルの増産を決定しました。さらに、4月5日の会合では、5月も同規模の日量20万6,000バレルの増産で合意しました。この増産決定は、原油価格が1バレル120ドルに迫る圧力に直面する中で行われました。

しかし、アナリストからは、この増産がホルムズ海峡の混乱による供給不安を補うには不十分であるとの指摘が相次いでいます。専門家は、OPECプラスによる増産量が、ホルムズ海峡の閉鎖によって引き起こされた供給途絶の2%にも満たないと分析しており、石油供給の不安定な状況はすぐには回復しないと見られています。産油国は海峡再開に備えて増産を用意しているものの、現在の増産規模では市場の懸念を払拭するには至っていません。

グローバルサウスにおける資源ナショナリズムの台頭と経済安全保障

グローバルサウス諸国では、自国の資源に対する管理を強化する資源ナショナリズムの傾向が強まっています。これは国際的な経済安全保障に大きな影響を与えています。特に、中国はレアアースなどの重要鉱物資源の輸出規制を強化しており、2025年4月にはレアアース7種に対する輸出管理措置が導入されました。2026年4月時点でも、中国による輸出規制は継続的に国際貿易に影響を与えています。

これに対し、日本やG7諸国は重要鉱物資源のサプライチェーン強靭化に向けた対応を強化しています。経済産業省は、グローバルサウスとの連携強化を目的とした「グローバルサウス未来志向型共創等事業」の公募を2026年3月30日に開始しました。これは、グローバルサウス諸国との協力を通じて、安定的な資源供給確保を目指すものです。

アフリカ大陸では、ザンビアやコンゴ民主共和国(DRC)が資源ナショナリズムの傾向を強めており、重要鉱物資源のサプライチェーンにおける米中対立が表面化しています。前述の通り、アフリカ開発銀行などが4月2日に発表した報告書では、中東情勢の長期化が2026年のアフリカのGDP成長率を0.2ポイント低下させる恐れがあると試算しており、資源ナショナリズムの台頭と地政学的リスクが複合的に世界の経済安全保障に影響を及ぼしています。

Reference / エビデンス