グローバルサウス、非米ドル決済網構築と通貨多極化を加速:2026年4月2日時点の動向

2026年4月2日、グローバルサウス諸国は、米ドルへの依存を減らし、自国通貨建て決済や代替決済システムの構築を加速させている。これは、地政学的な緊張、特に制裁の「武器化」への対抗策として顕著であり、国際金融システムの多極化を明確に示している。

BRICSによる脱ドル化戦略と新決済システムの導入

BRICS諸国は、米ドルへの依存を減らす「脱ドル化」戦略を加速させている。その具体的な取り組みとして、2026年2月17日にはブラジルで新しい決済システム「DCMS」が導入された。また、2025年10月31日には、BRICS共通通貨「The Unit」のパイロット版が開始され、その特徴と目的は、加盟国間の貿易決済における米ドル離れを促進することにある。

BRICSの脱ドル化戦略は、金準備の積み増しと米国債保有の削減という形で具体的に進められている。2026年早期には金価格が1オンスあたり5,500ドルを超え、金は米国債を上回り世界最大の準備資産となった。 BRICS諸国は世界全体の金生産量の約50%を占めており、この金準備の積み増しは、米ドルに代わる安定した価値の裏付けを求める動きと見られている。 2026年にはインドがBRICS議長国としてサミットを主催し、通貨やフィンテックに焦点を当てた議論が行われる予定だ。

中国の非米ドル決済網強化とデジタル人民元の役割

中国は、非米ドル決済網の強化に大きく貢献している。中国のクロスボーダー銀行間決済システム(CIPS)は、2026年2月に規制変更が発効し、香港ドルを含む外貨での決済処理に対応するようになった。 この機能拡張は、人民元の国際化をさらに推進し、米ドル以外の通貨での国際決済を容易にすることを目的としている。

中国は「人民元国際化2.0」を本格化させ、中央銀行デジタル通貨(CBDC)を活用したクロスボーダー決済で「国際標準」を確立しようとしている。 デジタル人民元は、より効率的で透明性の高い国際決済手段として、グローバルサウス諸国における非米ドル決済の選択肢を広げる可能性を秘めている。

グローバルサウスにおける脱ドル化の動機と影響

グローバルサウス諸国が脱ドル化を進める主な動機は、一方的な制裁や金融手段の「武器化」への対抗である。 米国が金融システムを外交政策の道具として利用することへの懸念が、各国に自律的な決済システムの構築を促している。

2026年4月2日現在、イランはホルムズ海峡での通過税をイラン・リアル建てで導入する動きを見せており、これはペルシャ湾におけるドルの準備通貨としての地位に大きな影響を与える可能性がある。 国際通貨基金(IMF)のデータによると、2024年第3四半期には米ドルの世界の外貨準備高に占める割合が約59.3%に低下した。 また、2026年早期には金が米国債を上回り世界最大の準備資産となり、これらの数値は国際金融システムの多極化が着実に進展していることを示している。

ブラジルのPixシステムとグローバルサウスへの影響

ブラジルの電子決済システム「Pix」は、その利便性と低コストから急速に普及している。しかし、このシステムは国際的な金融秩序に新たな摩擦を生み出している。2026年3月末に米国通商代表部(USTR)が発表したレポートでは、Pixが「アメリカの電子決済サービス提供業者の不利益になる」との懸念が表明された。 これに先立つ2025年8月には、米国がブラジルに50%の関税を課しており、Pixの普及が米国の金融覇権に対する挑戦と見なされていることがうかがえる。 Pixのような地域決済システムの成功は、グローバルサウス諸国が独自の金融インフラを構築し、米ドル中心のシステムから独立する可能性を示唆している。

2026年グローバルサウス金融フォーラムの開催

2026年3月26日、北京で「2026年グローバルサウス金融フォーラム」が開幕した。このフォーラムには、30以上の国・地域の政府関係者、銀行関係者、ビジネスリーダー、国際機関の代表が集結した。 参加者たちは、より包摂的で持続可能な金融協力の強化に向けた連携を図り、グローバルサウスの強みと知恵を結集する必要性について議論した。 このフォーラムは、グローバルサウスが国際金融システムにおける影響力を高め、新たな金融秩序を形成しようとする強い意志の表れと言えるだろう。

Reference / エビデンス