グローバルサウスにおける重要鉱物資源の権益争奪と国家間連携の最新動向(2026年3月)

2026年3月、グローバルサウスにおける重要鉱物資源を巡る国際的な権益争奪と国家間の連携がかつてないほど活発化しました。エネルギー転換と経済安全保障の観点から、世界経済の構造を大きく変えつつあるこの動きは、米国主導のサプライチェーン再編、日本のアフリカ・米国への投資、中国のアフリカへの影響力強化、そしてグローバルサウス諸国自身の資源ナショナリズムの台頭という多層的な様相を呈しています。本記事は、2026年3月31日を対象日とし、その前後の48時間を含む期間に焦点を当て、これらの最新動向を詳細に分析します。

グローバルサウスにおける重要鉱物資源の戦略的価値の増大

2026年3月31日現在、グローバルサウスにおける重要鉱物資源の戦略的価値は飛躍的に高まっています。国連貿易開発会議(UNCTAD)や国際エネルギー機関(IEA)の報告書は、電気自動車や再生可能エネルギー技術の普及に伴い、コバルト、リチウム、レアアースなどの重要鉱物需要が急増すると指摘しており、これが新たな地政学的再編を引き起こしています。特に、コンゴ民主共和国(DRC)では、コバルトの現地加工を深化させる動きが見られ、資源豊富な途上国が単なる供給源からバリューチェーンの中心へと変貌しつつある現状を象徴しています。2026年2月に開催された「Mining INDABA 2026」では、サプライチェーン再構築と資源ナショナリズムの動向が主要な議論テーマとなり、資源国の自律性向上への強い意志が示されました。

米国主導による重要鉱物サプライチェーン再編の加速

米国は、重要鉱物サプライチェーンの再編を主導し、その動きは2026年3月を挟む期間に加速しました。2026年2月4日には「2026年重要鉱物閣僚会合」が開催され、54カ国および欧州委員会が招集され、世界市場再構築の方針が打ち出されました。 この会合では、重要鉱物の安定供給と持続可能な開発に向けた国際協力の強化が確認されました。米国はまた、アルゼンチンを含む11カ国との間で二国間協定を締結し、供給網の強靭化を図っています。 さらに、2026年3月2日には米通商代表部(USTR)が複数国間協定の設計に関するパブリックコメント募集を開始し、特に価格調整メカニズムを重視する姿勢を明確にしました。

日本の重要鉱物資源確保に向けた多角的な戦略

日本もまた、重要鉱物資源確保に向けた多角的な戦略を積極的に展開しています。2026年3月31日、三菱マテリアルは米ReElement Technologies Corp.への出資と日米協業覚書を締結し、レアアースなどの重要鉱物のリサイクル事業における連携を強化しました。 これに先立つ3月19日の日米首脳会談では、重要鉱物サプライチェーン強靭化アクションプランが発表され、南鳥島レアアース泥プロジェクトへの協力が確認されました。 また、3月23日には伊藤忠商事とJOGMECが南アフリカのプラットリーフ鉱山への追加投資を発表し、アフリカにおける権益確保を強化しています。 中国のレアアース輸出規制への対策として、2026年3月2日に中国メディアが報じたナミビアでの鉱山開発計画も、日本の多角的な資源外交の必要性を浮き彫りにしています。 さらに、4月1日には日仏重要鉱物ロードマップの歓迎が表明され、欧州との連携も視野に入れた戦略が推進されています。

中国のアフリカにおける重要鉱物権益拡大とグローバルサウス諸国の資源ナショナリズム

中国はアフリカにおける重要鉱物権益の拡大を継続しており、2026年3月26日にはコンゴ民主共和国(DRC)と鉱業協力深化協定を締結しました。 また、中国は2026年5月1日からアフリカ53カ国に対し100%品目でゼロ関税措置を実施すると表明しており、経済的な結びつきを一層強化する狙いがあります。 これに対し、グローバルサウス諸国では資源ナショナリズムの台頭が顕著です。ナイジェリアは過去2年半で26億ドル以上の外国直接投資(FDI)を固体鉱物セクターに誘致し、2026年3月22日には地域産業ハブの創設を提唱しました。 DRCも鉱物資源の管理強化と現地加工の深化を目指しており、南アフリカの鉱物・石油資源大臣は「Mining INDABA 2026」で域内での付加価値化と工業化の必要性を強調しました。 これらの動きは、グローバルサウス諸国が自国の資源主権を確立し、経済的利益を最大化しようとする強い意志を示しています。

その他の主要国・地域による連携とサプライチェーン多様化の動き

米国、日本、中国以外の主要国・地域も、重要鉱物資源を巡る連携とサプライチェーン多様化の動きを活発化させています。2026年3月には、オーストラリアと欧州連合(EU)が自由貿易協定(FTA)で合意し、重要鉱物サプライチェーンの強靭化を目指すことで一致しました。 オーストラリアは、重要鉱物の国際的な供給・製造拠点としての地位確立を目指しており、その戦略は国際的な注目を集めています。 カナダは2026年3月2日に重要鉱物生産同盟に基づき30件の新たなパートナーシップを発表し、国内の重要鉱物産業の育成と国際協力の強化を図っています。 さらに、サウジアラビアやUAEなどの湾岸諸国もアフリカの鉱物資源への投資を拡大しており、新たなプレイヤーがグローバルな権益争奪戦に参入しています。

Reference / エビデンス