グローバルサウスの資源ナショナリズムと産油国の輸出戦略:2026年3月の動向

2026年3月24日、世界はグローバルサウスにおける資源ナショナリズムの台頭、重要鉱物サプライチェーンの戦略的再編、そして緊迫する中東情勢が世界のエネルギー供給に与える影響という、複数の地政学的変動の渦中にあります。特に、重要鉱物分野での戦略的進化と産油国の輸出戦略は、国際社会の注目を集めています。

資源ナショナリズムの台頭と重要鉱物

2026年3月、アフリカ諸国では重要鉱物に関する資源ナショナリズムが戦略的に進化を遂げています。特にタンザニアは、鉱業部門における政府の株式保有、国内加工要件、輸出制限、そして現地コンテンツ要件を義務付ける包括的な規制モデルを導入し、その動きは注目に値します。これは、資源から最大限の経済的利益を引き出し、国内産業を育成しようとする明確な意思の表れです。

米国もまた、重要鉱物確保に向けた動きを加速させています。2026年3月14日までに、米国はグローバルサウス諸国との間で新たな二国間協定を締結し、重要鉱物のサプライチェーンを多様化し、安定化させるための取り組みを進めています。これには、FORGE(Future of Resource Governance and Extraction)イニシアチブが含まれ、責任ある鉱物開発とサプライチェーンの透明性向上を目指しています。

しかし、サブサハラアフリカでは、2026年3月27日時点で資源ナショナリズムのリスクが増大しています。各国政府は、輸出税の導入、国有化、国内加工の義務付けといった具体的な政策を通じて、自国の資源に対する管理を強化しようとしています。これらの動きは、世界の重要鉱物市場に不確実性をもたらし、サプライチェーンの再編をさらに加速させる可能性があります。

「グリーン資源ナショナリズム」の動向と課題

ラテンアメリカでは、2026年3月現在、「グリーン資源ナショナリズム」が顕著な動向として台頭しています。これは、リチウムなどの重要鉱物に対する輸出制限や国内加工の推進を通じて、クリーンエネルギー移行の恩恵を自国経済に取り込もうとする動きです。各国は、バッテリーや電気自動車のバリューチェーンにおける自国の位置付けを強化し、単なる原材料供給国から脱却することを目指しています。

しかし、この「グリーン資源ナショナリズム」には課題も伴います。中国が再生可能エネルギーインフラ製造において圧倒的な優位性を持つ現状は、グローバルサウス諸国が新たな依存関係に陥る可能性をはらんでいます。また、過去の石油部門における資源ナショナリズムの経験から、実施ギャップや過剰投資のリスクといった教訓を学ぶ必要があります。持続可能で公平なグリーン移行を実現するためには、これらの課題への慎重な対応が求められます。

中東情勢と産油国の輸出戦略への影響

2026年3月24日、中東情勢は依然として緊迫しており、特にホルムズ海峡の封鎖リスクは世界のエネルギー市場に深刻な懸念をもたらしています。日本にとって、原油輸入の約95%を中東に依存している現状は、このリスクを一層深刻なものにしています。

このような状況を受け、日本政府はエネルギー安全保障の強化に乗り出しています。2026年3月16日からは民間備蓄の放出を開始し、さらに3月26日からは国家備蓄の放出を計画しています。同時に、日本は中東以外の調達先を積極的に模索しており、カザフスタンやブラジルなどからの原油輸入拡大に向けた動きが見られます。

国際社会もこの危機に対応しています。2026年3月11日には、国際エネルギー機関(IEA)加盟国が、世界の石油市場の混乱を緩和するため、4億バレルを超える石油備蓄の放出で合意しました。さらに、IEAは3月20日、石油・ガス使用量削減のための10の措置を提案し、短期的な需要抑制と長期的なエネルギー転換の加速を促しています。これらの国際的な協調と各国の戦略的な動きが、不安定なエネルギー市場の安定化に寄与するかが注目されます。

Reference / エビデンス