グローバルサウスにおける資源ナショナリズムの台頭と産油国の輸出戦略:2026年4月の動向

2026年4月10日、国際社会はグローバルサウス諸国の台頭と、それに伴う資源ナショナリズムの強化、そして産油国の輸出戦略の調整という、新たな地政学的・経済的潮流に直面しています。特に、重要鉱物を巡る米中間の緊張やOPECプラスの生産調整は、世界の経済安全保障とサプライチェーンの安定性に大きな影響を与えています。

グローバルサウスの台頭と資源ナショナリズムの現状

近年、グローバルサウス諸国は国際社会においてその存在感を飛躍的に増しています。現在、世界のGDPの約4割、人口の約7割を占めるこれらの国々は、資源供給国としての重要性を高めています。 この背景には、経済成長に伴う自国資源の戦略的価値の再認識と、過去の植民地主義的搾取への反発といった経済的・地政学的要因が存在します。資源ナショナリズムの強化は、自国の資源を国家の利益のために管理・利用しようとする動きであり、国際市場に大きな波紋を広げています。

特に注目されるのは、中国によるレアアースなどの重要鉱物に対する輸出規制の強化です。中国は2025年4月、そして2026年1月にも、これらの重要鉱物に対する輸出規制をさらに厳格化しました。 これは、ハイテク産業に不可欠な鉱物の供給を巡る国際競争を激化させています。さらに、2026年4月8日には、アフリカのザンビア、コンゴ民主共和国(DRC)、ジンバブエにおける重要鉱物を巡る米中間の対立が表面化し、資源を巡る大国間の覇権争いが一層鮮明になっています。

産油国の輸出戦略とOPECの動向

産油国、特にOPECプラス(OPECとその協力国)の動向は、世界のエネルギー市場に直接的な影響を与えています。2026年4月10日現在、OPECプラスは市場の安定化と価格維持のため、生産調整を継続しています。

過去の経緯を振り返ると、2023年4月3日にはOPEC加盟国が自主的な減産を発表し、同年7月以降、日量約165万バレルに及ぶ減産が実施されました。 この減産には、サウジアラビアが同年7月に単独で日量100万バレルの追加減産を行うなど、主要産油国の具体的な動きが市場に大きな影響を与えました。

一方で、2025年4月3日にはOPECプラスが自主減産を縮小し、同年5月からは8カ国合計で日量41万1000バレル(bpd)の増産が見込まれると発表されました。 これらの生産調整は、国際原油価格の変動要因となり、世界の経済活動に影響を及ぼしています。

日本および国際社会の対応と経済安全保障

資源ナショナリズムの台頭と産油国の輸出戦略の変化に対し、日本および国際社会は経済安全保障の確保に向けた対応策を強化しています。

日本政府は、グローバルサウス諸国との連携強化を喫緊の課題と捉えています。経済産業省は2026年4月9日、グローバルサウス諸国との経済協力事業を推進し、サプライチェーンの強靱化と経済安全保障の確保を目指す方針を明らかにしました。 これに先立ち、2026年3月30日には、令和7年度補正事業として「グローバルサウス未来志向型共創等事業」の公募が開始されており、具体的な取り組みが加速しています。

また、経済界もこの動きに呼応しています。経団連は2025年12月16日、グローバルサウスとの連携強化を提言し、食料・資源・エネルギーの安定供給確保の重要性を強調しました。 これを受け、日本企業はサプライチェーンの多角化や、新たな資源開発への投資を積極的に進めることで、特定の国への依存度を低減し、リスク分散を図る動きを強めています。

国際社会全体としても、重要鉱物の安定供給に向けた国際協力の枠組み構築や、代替技術の開発支援などが進められており、資源を巡る新たな国際秩序の形成が模索されています。

Reference / エビデンス