グローバルサウスの資源ナショナリズムと産油国の輸出戦略:2026年4月上旬の動向

2026年4月上旬、世界経済はグローバルサウスにおける資源ナショナリズムの台頭と、中東情勢の緊迫化を受けた産油国の輸出戦略の複雑な相互作用に直面しています。特に、重要鉱物を巡る米中間の競争激化と、ホルムズ海峡の状況がOPECプラスの生産方針に与える影響が注目されており、各国は経済安全保障上の要衝としてグローバルサウスとの連携強化を模索しています。

グローバルサウスにおける資源ナショナリズムの台頭と重要鉱物争奪戦

コンゴ民主共和国の動きと米中間の鉱物争奪

グローバルサウスにおける資源ナショナリズムの動きが加速しています。2026年4月8日に発表されたジェトロのレポートによると、コンゴ民主共和国(DRC)は資源ナショナリズムを強化し、国営企業による鉱物資源管理への関与を拡大しています。この動きを象徴する事例として、3月にはスイス系資源大手グレンコアがDRC国内の銅・コバルト権益の40%を米国系コンソーシアムに約90億ドルで売却する覚書を締結しました。これは、重要鉱物を巡る米中間の争奪戦が激化している現状を明確に示しています。

資源ナショナリズムがもたらすリスクと新たな市場

4月7日の記事では、資源ナショナリズムの再燃が実物資産を持たない国々にリスクをもたらしている点が指摘されています。 また、4月6日に発表された半導体リサイクル技術市場に関する予測では、地政学的緊張と資源ナショナリズムの高まりが、半導体廃棄物からの貴重な材料回収への注目を一層高めていることが具体的に記述されています。 これは、資源確保の新たなフロンティアとしてリサイクル市場が浮上していることを示唆しています。

中東情勢緊迫化とOPECプラスの輸出戦略の変遷

OPECプラスの増産合意とホルムズ海峡の状況

中東情勢の緊迫化は、産油国の輸出戦略に大きな影響を与えています。2026年4月5日、OPECプラスの有志8カ国は5月から日量20万6千バレルの増産で合意しました。 これは2カ月連続で同規模の増産となるもので、中東情勢の悪化、特にホルムズ海峡の事実上の封鎖状況下で行われた決定として注目されています。

国際社会の供給不安への対応

供給不安への対応として、国際社会は具体的な行動に出ています。3月11日には国際エネルギー機関(IEA)の32加盟国が計4億バレルの戦略石油備蓄放出に合意し、日本政府も3月16日から備蓄放出を開始しました。 一方、2026年4月8日にはトランプ大統領がイランとの2週間の停戦をSNSに投稿し、緊張緩和への期待が高まっていますが、状況は依然として流動的であり、今後の動向が注視されます。

グローバルサウスの地政学的・経済安全保障上の重要性

「経済安保上の要衝」としてのグローバルサウス

グローバルサウスは、世界の供給網、資源、地政学の結節点として、その重要性を増しています。2026年1月30日のKPMGのレポートでは、グローバルサウスが「経済安保上の要衝」として注目度が高まっていることが指摘されています。 特に、東南アジアやアフリカ地域には米中双方から投資が流入し、鉱物取引の多様化が進んでいます。

国際的な連携と日本の戦略

重要鉱物資源を巡る国際競争の公平性を確保するため、2026年3月5日には国連が国際社会に呼びかけを行いました。また、3月4日の報道によると、米国は2月4日に「2026年重要鉱物閣僚会合」を主催し、世界市場の再構築に向けた方針を打ち出しています。 日本もこの動きに呼応し、2026年1月8日に経団連が発表した提言では、グローバルサウスとの連携強化が食料・資源・エネルギーの安定供給確保に不可欠であると強調されており、国際的な協力体制の構築が急務となっています。

Reference / エビデンス