北米連邦インフラ投資計画:2026年4月3日時点の予算配分と執行状況

2026年4月3日、北米大陸では連邦政府による大規模なインフラ投資計画が進行中であり、その予算配分と執行状況は各国の経済と社会基盤に大きな影響を与えている。米国では超党派インフラ法(IIJA)の期限切れが迫る中、新たな予算案が議論を呼んでおり、一方カナダでは新たな大規模インフラ基金の立ち上げが間近に迫っている。

米国:超党派インフラ法(IIJA)の予算配分と執行状況

米国における超党派インフラ法(IIJA)は、2026年9月30日の期限切れに向けて、その予算配分と執行状況が注目されている。2026年1月31日時点で、IIJAの全体予算のうち5,680億ドルが配分され、そのうち2,750億ドルが義務化されている状況だ。特に、運輸省(DOT)は、これまでに3億6,025万6,188ドルを義務化し、2億1,367万1,163ドルを支出している。

IIJAの資金は、道路、橋、公共交通機関、ブロードバンド、水インフラなど多岐にわたるプロジェクトに投入されており、全米で数千ものプロジェクトが進行中である。しかし、2026年9月30日の期限切れが近づくにつれて、建設業界では資金の崖(funding cliff)のリスクが懸念されており、再承認に向けた動きが活発化している。

また、2026年2月3日に署名された2026年連結歳出法は、IIJAの資金配分に新たな影響を与えている。特に、電気自動車(EV)充電インフラの整備を目的としたNEVI(National Electric Vehicle Infrastructure)プログラムに対して、資金の再配分が行われた。これにより、EV充電ステーションの展開が加速される一方で、一部のプログラムでは予算調整が必要となる見込みだ。

米国:2027会計年度予算案と政策変更の影響

2026年4月3日、トランプ政権は2027会計年度(FY2027)の予算案を発表し、連邦インフラ投資計画に大きな政策変更の可能性を示唆した。この予算案では、運輸省(USDOT)に対して1,141億ドルの要求がなされている。

しかし、予算案には主要な裁量的補助金プログラムの廃止提案が含まれており、インフラプロジェクトの資金調達に影響を与える可能性がある。具体的には、RAISE(Rebuilding American Infrastructure with Sustainability and Equity)、Mega(National Infrastructure Project Assistance)、SS4A(Safe Streets and Roads for All)といったプログラムの廃止が提案されている。

さらに、電気自動車(EV)充電プログラムへの資金削減案や、環境保護庁(EPA)への大幅な予算削減も盛り込まれている。EPAの予算は半減され、10億ドル規模の補助金プログラムが廃止されるほか、再生可能エネルギーインフラ資金として計画されていた150億ドルがキャンセルされる見込みだ。これらの提案は、米国のインフラ投資の方向性に大きな転換をもたらす可能性があり、今後の議会での議論が注目される。

カナダ:新たなインフラ投資計画「Build Communities Strong Fund」の立ち上げ

カナダでは、マーク・カーニー首相が来たる4月10日に「Build Communities Strong Fund」を正式に立ち上げると発表した。この新たなインフラ投資計画は、今後10年間で総額510億ドルを投じる大規模なものであり、カナダ全土のコミュニティに恩恵をもたらすことが期待されている。

「Build Communities Strong Fund」の具体的な内訳は以下の通りである。道路や公共事業に278億ドル、地域プロジェクトに60億ドル、そして住宅と医療インフラに172億ドルが配分される予定だ。この計画は2026-27会計年度から実施されることになっており、カナダのインフラ整備を長期的に支援する基盤となる。

また、これに先立ち、2026年3月3日には運輸省が10億ドルの北極インフラ基金の公募を開始している。これは、カナダの北極圏におけるインフラ整備を促進し、地域社会の発展を支援するための重要な取り組みである。

北米全体のインフラ投資の課題と展望

2026年、北米全体のインフラ投資は、米国におけるIIJAの期限切れと再承認の不確実性、そしてカナダにおける州・準州との連携の重要性という二つの主要な課題に直面している。米国のIIJAの再承認は、建設業界にとって極めて重要であり、その動向は今後のインフラプロジェクトの継続性に大きな影響を与える。

一方で、インフラ投資の分野では新たなトレンドも生まれている。エネルギー転換、データセンター、循環型経済、脱炭素化といったテーマ型ファンドへの投資家の関心が高まっており、これらの分野への資金流入が加速している。また、インフラ債務市場も成長を続けており、2026年にはさらなる拡大が予測されている。

北米各国政府は、これらの課題に対応しつつ、持続可能で強靭なインフラを構築するために、官民連携や革新的な資金調達メカニズムの活用を模索している。2026年は、北米のインフラ投資が新たな局面を迎える「行動の年」となるだろう。

Reference / エビデンス