北米連邦インフラ投資計画、2026年3月31日時点の予算配分と執行状況

北米地域では、米国とカナダがそれぞれ大規模な連邦インフラ投資計画を推進しており、2026年3月31日現在、その予算配分と執行状況が注目されている。両国の取り組みは、経済成長の促進と老朽化したインフラの刷新を目指すもので、具体的な数値と進捗状況が明らかになりつつある。

米国:超党派インフラ法(IIJA)の進捗と予算執行

米国では、2021年に成立した超党派インフラ法(IIJA)に基づき、インフラ整備が着実に進められている。2026年3月31日時点で、IIJAによって承認されたプロジェクトの総額は5,000億ドルを超え、そのうち約3,000億ドルがすでに割り当てられ、または義務付けられている。この資金は、全米で4万5,000件以上のプロジェクトに投入されている。

主要な投資分野では、道路・橋梁に最も多くの資金が投入されており、約1,000億ドルが割り当てられている。公共交通機関には約300億ドル、ブロードバンドインフラには約200億ドル、水インフラには約150億ドルがそれぞれ充てられている。また、電力網の近代化には約100億ドル、電気自動車(EV)充電ステーションの設置には約75億ドルが投じられている。

IIJAの資金は2026年9月30日に期限を迎えるため、建設業界では資金の「崖」に対する懸念が浮上している。 期限までにプロジェクトを完了させるための加速が求められており、許可取得の迅速化や労働力確保が喫緊の課題となっている。

最近の建設支出の動向を見ると、2026年1月には前月比で0.2%の増加を記録し、年率換算で2兆1,080億ドルに達した。 特に公共部門の建設支出は堅調に推移しており、インフラ投資が経済活動を下支えしていることが示されている。

カナダ:国家インフラ計画「Build Communities Strong Fund」の始動

カナダでは、マーク・カーニー首相が2026年4月7日に発表する予定の新たな国家インフラ計画「Build Communities Strong Fund」が注目を集めている。この基金は、今後10年間で総額510億ドルを投じる大規模なもので、道路、橋梁、公共交通機関といった伝統的なインフラに加え、住宅、医療施設、地域プロジェクトなど、多岐にわたる分野への投資が計画されている。

特に住宅供給の促進は喫緊の課題とされており、2026年3月には住宅供給を加速させるための法案(Bill C-26)が導入された。 この法案は、地方自治体と連携し、住宅建設の障壁を取り除くことを目的としている。

具体的なプロジェクトとしては、2026年3月30日にイヌヴィックにおける水・下水インフラの改善に2,000万ドルが投資されることが発表された。 これは、北部のコミュニティにおける生活の質の向上と公衆衛生の強化を目指すもので、新基金の方向性を示すものとなっている。

北米インフラ投資の経済的影響と課題

北米における大規模なインフラ投資は、両国の経済に多大な影響を与えている。米国では、IIJAによる投資が数百万人の雇用を創出すると見込まれており、特に建設業や関連産業での雇用拡大が期待されている。

しかし、投資の進捗には課題も山積している。米国では、プロジェクトの許可取得に時間がかかり、建設開始が遅延するケースが報告されている。 また、資材価格の高騰や熟練労働者の不足により、コスト超過が発生するリスクも指摘されている。

カナダの「Build Communities Strong Fund」も、GDPの押し上げと雇用創出に貢献すると期待されている。 しかし、米国と同様に、インフレ圧力やグローバルなサプライチェーンの混乱が、プロジェクトの実行を阻害する可能性が懸念されている。 両国ともに、これらの課題にいかに対応し、効率的かつ持続可能なインフラ整備を実現するかが、今後の経済成長の鍵となるだろう。

Reference / エビデンス