2026年3月27日時点のグローバルサウス:地域経済共同体の発展と貿易障壁の推移

2026年3月27日、グローバルサウスは地域経済共同体の発展と貿易障壁の複雑な推移の中で、その存在感を一層高めている。特に、日本を含む先進国との連携強化や、域内での自由貿易圏の深化が注目される一方で、地政学的リスクや保護主義の台頭が新たな課題として浮上している。

グローバルサウス全体の動向と日本の連携

グローバルサウス諸国は、2026年に入り経済的・政治的影響力を着実に拡大している。3月26日には北京で「2026年グローバルサウス金融フォーラム」が開催され、30以上の国・地域が参加し、国際的なグリーン資本の流れを牽引するコンセンサス形成から行動への移行が議論された。

日本もまた、グローバルサウス諸国との連携強化に積極的に取り組んでいる。経済産業省は、3月27日に「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」の二次公募を締め切った。これは、日本の中堅・中小企業が米中対立を背景に、グローバルサウス市場への展開を加速させる動きを後押しするものだ。

地域経済共同体の発展:ASEAN

ASEAN地域では、2026年の経済戦略策定が進められており、3月の経済大臣会合に提出される予定だ。 デジタル経済枠組み協定(DEFA)を通じたデジタル市場の発展も期待されており、地域経済の統合をさらに深める動きが見られる。

貿易協定の進捗も顕著だ。ASEAN-カナダFTAの交渉が進む一方、ASEAN-インド物品貿易協定(AITIGA)の改定交渉は進捗率44.8%に達している。 しかし、3月18日に発表された「ASEANビジネス・バロメーター2026」では、地場製造業の7割超が保護主義を懸念していることが明らかになり、域内における貿易障壁への警戒感が示された。

地域経済共同体の発展:アフリカ

アフリカ大陸では、アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)の進展が地域経済統合の大きな柱となっている。3月9日に開催された「AfCFTA合同セミナー」では、人口約15億人、GDP規模3兆ドルを擁するAfCFTAが、完全施行されれば3兆4,000億ドルの市場を創出する可能性が指摘された。

一方で、貿易障壁の課題も浮き彫りになっている。2月24日から25日にナイロビで開催された「東アフリカビジネス・投資サミット&エキスポ2026」では、非関税障壁が地域GDPの2~3%の損失をもたらしていると指摘された。 3月28日から4月3日にかけてタンジェで開催される「第58回アフリカ経済委員会」では、アフリカの経済発展と課題が議論される予定だ。 また、3月28日にはヤムスクロで西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)が50周年を迎え、その歴史と今後の役割が祝われる。 さらに、3月23日から28日にアブジャで開催された「Africa-Caribbean Summit 2026」では、2028年までにアフリカ・カリブ海貿易を18億ドルに増加させる目標が掲げられた。

地域経済共同体の発展:ラテンアメリカ

ラテンアメリカでは、貿易協定の進展が地域経済に新たな機会をもたらしている。2026年1月9日、欧州連合(EU)はメルコスール圏との貿易協定を承認した。この協定により、自動車産業では35%の関税が撤廃され、機械工学・化学産業では12%から20%の関税が撤廃されるなど、具体的な経済的メリットが期待されている。 この動きは、米国と中国の間で独立した勢力としての欧州の強化を意味するとも評価されている。

貿易障壁の推移と地政学的リスク

グローバルサウスを取り巻く貿易障壁の動向は、地政学的リスクと密接に絡み合っている。トランプ米政権は、中南米4カ国(エルサルバドル、グアテマラ、アルゼンチン、エクアドル)と相互貿易協定の枠組みに合意し、2026年第1四半期中の協定締結を目指している。 特にグアテマラとの協定では、ニッケル、コバルト、アルミニウム、希土類金属などの相互関税がゼロになる見込みだ。

一方で、貿易関係の不透明感も存在する。3月24日に報じられた米・カナダ・メキシコ間のUSMCA見直し協議は、その行方に不透明感が漂っている。 さらに、2026年3月には中東情勢が激化し、ハメネイ師殺害やホルムズ海峡の事実上の封鎖が発生したとされる。 これにより原油価格が急騰し、世界経済に複合的な影響を与える可能性が指摘されており、グローバルサウス諸国の経済にも大きな影響を及ぼすことが懸念される。

Reference / エビデンス