グローバルサウスにおける重要鉱物資源の権益争奪と国家間連携の動向

2026年3月26日、世界はエネルギー転換の加速に伴う重要鉱物資源の需要急増に直面しており、特に「グローバルサウス」と呼ばれる新興・途上国地域が、その戦略的価値の中心として国際社会の注目を集めている。この資源を巡る権益争奪は激化の一途をたどり、各国はサプライチェーンの強靭化を目指し、多角的な戦略を展開している。

グローバルサウスにおける重要鉱物資源の戦略的価値の高まり

重要鉱物資源の需要は、電気自動車(EV)や再生可能エネルギー関連技術の普及を背景に、飛躍的に増加している。これにより、これらの資源を豊富に有するグローバルサウス諸国は、新たなグローバルバリューチェーンの中心になりつつある。2026年3月5日に開催された国連安全保障理事会では、重要鉱物資源が国際的な平和と安全保障に与える影響について議論が交わされた。また、国連貿易開発会議(UNCTAD)の最新報告書も、グローバルサウスが資源供給だけでなく、加工・製造拠点としての役割を強化している現状を指摘している。

主要国による重要鉱物サプライチェーン強靭化戦略とグローバルサウスへの関与

主要国は、重要鉱物サプライチェーンの安定化と多角化を図るため、グローバルサウス諸国との連携を強化している。米国は、2026年2月4日に「2026年重要鉱物閣僚会合」を開催し、多国間協力の推進を呼びかけた。この会合では、アルゼンチン、クック諸島、エクアドルといったグローバルサウス諸国との間で、重要鉱物に関する二国間枠組みの締結に向けた動きが具体化された。

また、米国通商代表部(USTR)は、2026年3月2日より重要鉱物に関する複数国間協定とサプライチェーン強靭化に向けたパブリックコメントの募集を開始し、国際的な枠組み構築への意欲を示している。日本と米国も、2026年3月18日に「重要鉱物サプライチェーン強靱性のための日米アクションプラン」を発出し、両国間の連携を強化する方針を打ち出した。さらに、国際協力銀行(JBIC)は2026年3月16日、米国貿易開発庁(USTDA)との間で、重要鉱物サプライチェーンの連携に関する覚書を締結し、具体的なプロジェクト推進に向けた協力体制を構築している。

グローバルサウス諸国自身の資源開発と国際連携の動き

グローバルサウス諸国自身も、自国の資源開発を推進し、国際的なパートナーシップを積極的に模索している。本日2026年3月26日には、「2026年グローバルサウス金融フォーラム」が開催され、グリーン金融協力の強化に向けた議論が行われた。これは、グローバルサウスが持続可能な開発目標達成のために、国際的なグリーン資本の流れを牽引しようとする動きの一環である。

具体的な事例として、2026年3月23日には、日本と独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が、南アフリカのプラチナグループメタル(PGM)鉱山への追加投資を発表した。これは、グローバルサウスの資源開発を支援し、安定的な供給源を確保するための重要な取り組みである。また、同日には、日本貿易振興機構(JETRO)が日豪連携に関するレポートを公表し、資源国としてのオーストラリアの役割と、重要鉱物供給網における課題について考察している。

重要鉱物市場における競争と新たな技術動向

重要鉱物市場における競争は、技術革新の進展によってさらに複雑化している。2026年3月4日に三井物産戦略研究所が発表したレポートでは、リチウムマンガンリッチ(LMR)正極材などの新技術開発が、将来の鉱物需要構造に大きな影響を与える可能性が指摘されている。

特に、電気自動車用バッテリーの性能向上は、重要鉱物資源の需要と供給のバランスを大きく左右する。2026年3月15日には、中国において電池材料の高度化に関する議論が活発に行われ、規模追求から「本質的安全」の確立へとパラダイムシフトが起きていることが示された。このような技術革新は、特定の鉱物への依存度を変化させ、権益争奪の新たな局面を生み出す可能性がある。

日本のグローバルサウスとの経済協力とサプライチェーン多角化

日本は、グローバルサウス諸国との経済協力を通じて、サプライチェーンの多角化と強靭化を目指している。経済産業省は、2026年3月30日から「グローバルサウス未来志向型共創等事業」の公募を開始する予定である。この事業は、GX(グリーントランスフォーメーション)やDX(デジタルトランスフォーメーション)を通じて、グローバルサウス諸国が抱える社会課題の解決に貢献するとともに、重要鉱物資源を含むサプライチェーンの安定化を図ることを目的としている。これは、日本がグローバルサウスを重要なパートナーと位置づけ、持続可能な経済成長を共に実現しようとする強い意志の表れである。

Reference / エビデンス