北米:巨大IT企業に対する独占禁止法と規制の動向(2026年3月25日時点)

2026年3月25日、北米では巨大IT企業に対する独占禁止法および規制の動きが加速している。特に、SNSの依存性設計に関する訴訟、Googleの広告技術における独占、そしてカナダの新たなIT規制が注目を集めている。これらの動きは、巨大IT企業のビジネスモデルと将来に大きな影響を与える可能性を秘めている。

SNS依存性設計を巡る訴訟とMeta・Googleへの判決

2026年3月25日、ロサンゼルスで報じられたSNSの依存性設計に関する陪審判決は、MetaとGoogle(YouTube)にとって厳しいものとなった。この判決は、「ソーシャルメディアの依存性は企業の責任である」と認定し、両社に責任を負わせる内容だった。この判決は、これまで巨大IT企業を保護してきた「法の盾」が崩壊しつつあることを示唆している。

さらに、ニューメキシコ州ではMetaに対し600万ドルの罰金が科された。この罰金自体よりも、この判決が引き金となり、今後2400件もの後続訴訟が起こる可能性が指摘されており、これはかつてのたばこ産業に対する訴訟のシナリオを想起させるものとして、業界に大きな衝撃を与えている。

Googleの広告技術における独占禁止法訴訟の進展

米国司法省(DOJ)によるGoogleの広告技術に関する独占禁止法訴訟は、重要な局面を迎えている。この歴史的な裁判の最終判決は2026年に下されると予想されており、その結果が広告業界全体に与える影響は計り知れない。

司法省は、Googleの独占状態を是正するための措置として、データの共有を要求している。また、是正措置としてGoogleのChrome事業の分社化の可能性も浮上している。米連邦取引委員会(FTC)も、プライバシー保護を確保しつつ、データ共有によってGoogleの独占を是正する動きを支持している。

カナダにおけるIT規制の動向

カナダでは、巨大IT企業に対する独自の規制が強化されている。「オンラインストリーミング法(C-11)」と「オンラインニュース法(C-18)」の2つのIT規制法が成立した。

オンラインストリーミング法(C-11)は、オンラインストリーミングサービスに対し、カナダのコンテンツを促進することを目的としている。一方、オンラインニュース法(C-18)は、テクノロジー大手が自社のプラットフォームで共有されるニュースコンテンツに対して、ニュース組織に報酬を支払うことを義務付けるものだ。これらのカナダの新たな規制に対しては、米国から懸念の声も上がっている。

その他の北米における規制動向とAIへの影響

北米全体で巨大IT企業への規制強化の動きは広範に及んでいる。MicrosoftのWindows 11におけるUI設計問題も、巨大テック企業の独占戦略の一例として指摘されている。

特に、AI開発と利用における著作権侵害やプライバシー保護に関する懸念が高まる中、米連邦取引委員会(FTC)は規制強化に乗り出している。FTCは、「不正に収集されたデータに基づくアルゴリズムも不正である」との姿勢を示しており、AI開発におけるデータの透明性と倫理性が厳しく問われることになる。AI関連の訴訟が急増しており、これが規制強化とコスト増大につながり、企業の収益を圧迫する可能性も指摘されている。

米国政府は、巨大IT企業に対する反トラスト法執行において、これまでの寛容な姿勢から厳格な姿勢へと舵を切っており、今後のAI開発もこの規制の対象となることが予想される。

Reference / エビデンス