CBOが警鐘を鳴らす米国の財政状況:連邦債務と財政赤字の最新動向

CBOが警鐘を鳴らす米国の長期財政見通し

米国議会予算局(CBO)が2026年3月2日に発表した長期予算見通しによると、米国の財政状況は持続不可能な経路を辿っていることが示されました。この見通しでは、国民債務が2056年までに国内総生産(GDP)の175%に達し、金額にして168兆ドルに相当すると予測されています。これは、総連邦債務が2025年のGDP比123%から2056年には190%に上昇するという予測であり、米国史上最高水準となる見込みです。

さらに、2026年から2055年までの平均財政赤字はGDPの7.1%に上る見込みであり、これは2025年3月の見通しである6.3%から悪化しています。このような財政状況の悪化は、将来の政策立案の柔軟性を著しく損なうリスクをはらんでいます。

拡大する連邦債務と財政赤字の最新動向

CBOが2026年3月9日に発表した月次予算レビューによると、2026会計年度の最初の5ヶ月間(2025年10月~2026年2月)で連邦財政赤字は1.0兆ドルに達しました。特に、2026年2月単月では3080億ドルの赤字を計上しています。この期間の歳出は3.1兆ドルと推定されており、前年同期比で640億ドル増加しました。

責任ある連邦予算委員会(CRFB)のプレジデントであるマヤ・マクギニアス氏は2026年3月11日の上院財政小委員会での証言で、2026年3月10日時点での総国民債務が38.9兆ドルに達し、GDP比で122%を超えていることを引用し、米国の財政状況が持続不可能であると警告しました。米国財務省は2026年3月現在、国民債務の合計が39兆ドルであると公表しています。CBOは2026会計年度の年間赤字が1.9兆ドルに達し、連邦債務は2036年までにGDPの120%に上昇すると予測しています。また、2026年の連邦歳出総額は7.4兆ドル、GDPの23.3%と予測されています。

利払い費は年間約1兆ドルに達し(CBOの予測では2026会計年度に1.039兆ドル)、2036年までに倍増する見込みであり、連邦予算の中で最も急速に増加している項目です。

債務上限問題の政治的背景と財政規律への議論

連邦債務上限に関しては、2025年7月に「One Big Beautiful Bill Act」が成立し、上限が41.1兆ドルに引き上げられました。この措置により、次に債務上限を巡る直接的な政治的対立が発生するのは2027年まで回避される見込みです。

現在の政治的議論は、差し迫った債務上限の引き上げではなく、長期的な財政規律の回復と歳出削減に焦点が移っています。下院共和党は、連邦歳出を抑制するために均衡予算の憲法修正案を提案しており、現在の国民債務が38兆ドルを超えている状況を指摘しています。

Reference / エビデンス