米国:制裁リスト(エンティティ)の政治更新

2026年4月17日、米国政府は、国際的な安全保障と外交政策の目標を達成するため、制裁リストの更新を継続しています。特に、外国資産管理室(OFAC)による特定国・地域への追加指定と、商務省産業安全保障局(BIS)によるエンティティリスト関連の動向が注目されています。ニカラグアの金採掘部門、イランの違法な石油密輸ネットワーク、ロシアおよびベネズエラに関連する措置、そしてBISエンティティリストの審査迅速化に向けた動きは、企業が国際取引において留意すべき重要な変化を示しています。

OFACによるニカラグア関連の新規制裁

2026年4月16日、OFACはニカラグアに対し、金採掘部門および政府関係者に対する新たな制裁措置を発表しました。この措置は、ダニエル・オルテガ大統領とロサリオ・ムリーリョ副大統領の政権が、金採掘部門を通じて資金源を確保し、政治的支配を維持していることに対処するものです。具体的には、ムリーリョ=オルテガ政権の資金源と政治的支配を支援する個人および企業が対象となりました。また、米国所有財産の押収に関与した個人も制裁対象に含まれています。

これらの制裁と同時に、OFACはニカラグア関連の一般ライセンスを発行し、特定の取引を許可する柔軟性も示しています。企業は、ニカラグアとの取引において、これらの新規制裁の範囲と一般ライセンスの適用条件を慎重に確認する必要があります。

OFACによるイラン関連の制裁強化

2026年4月15日、OFACはイランの違法な石油密輸および資金調達ネットワークに関連する29の対象(個人、企業、船舶)に対し、制裁を強化しました。これは、イランに対する米国経済圧力キャンペーンの一環として実施されたものです。制裁対象には、イランの石油・石油化学製品の販売を促進する企業や、イラン革命防衛隊(IRGC)の資金調達を支援する個人が含まれています。

2026年4月16日時点では、ホルムズ海峡の状況は引き続き注視されており、イラン関連船舶の動向も懸念されています。特に、米国制裁対象のイラン関係船がホルムズ海峡を通過し、アラブ首長国連邦(UAE)を経由するルートを利用している可能性が指摘されています。企業は、イランとの取引、特に石油関連の取引において、これらの制裁措置と関連するリスクを十分に評価し、コンプライアンス体制を強化することが求められます。

ロシアおよびベネズエラ関連の制裁措置の更新

2026年4月14日および4月16日には、ロシアおよびベネズエラ関連の制裁措置に更新がありました。OFACは、ロシア関連の一般ライセンスを修正し、特にLukoil関連の取引に関するガイダンスを明確にしました。これにより、特定の取引が許可される範囲が変更された可能性があります。企業は、ロシアとの取引において、修正された一般ライセンスの内容を詳細に確認し、その影響を評価する必要があります。

一方、ベネズエラに関しては、一部の金融機関に対する制裁が解除されました。これには、ベネズエラ中央銀行も含まれており、これによりベネズエラの経済活動に一定の緩和がもたらされる可能性があります。しかし、企業は、ベネズエラとの取引を行う際には、依然として残る制裁措置や政治的リスクを考慮し、慎重なデューデリジェンスを行うことが重要です。

BISエンティティリスト関連の動向と輸出管理

2026年4月17日現在、BISエンティティリストに関する動向も注目されています。2026年3月30日には、エンティティリストの更新審査を迅速化するための法案が再提出されました。これは、リストの変更プロセスを効率化し、米国の国家安全保障上の懸念に迅速に対応することを目的としています。

また、「関連事業体ルール」の再実施の可能性が2026年第3四半期に高まるという懸念も浮上しています。このルールが再導入されれば、エンティティリストに掲載された企業だけでなく、その関連企業も輸出管理の対象となる可能性があり、サプライチェーン全体に大きな影響を与える可能性があります。

2026年初頭から、BISは中国、エンティティリスト対象者、および半導体関連貿易に対して積極的な輸出管理を行っています。企業は、これらの動向を注視し、輸出管理規制の遵守を徹底するとともに、サプライチェーンのリスク評価を定期的に実施することが不可欠です。

Reference / エビデンス