南方:サウジ「ビジョン2030」支出の透明性

サウジアラビアは、国家変革計画「ビジョン2030」の推進において、支出の透明性と効率性の向上に注力しています。2026年4月17日現在、最新の国家予算、新たな法制度、そして主要な投資戦略が、この目標達成に向けた具体的な動きとして注目されています。

2026年国家予算と「ビジョン2030」の第3フェーズ

サウジアラビア政府は、2026年の国家予算として総額1兆3,128億リヤル(約3,500億ドル)を承認しました。この予算は、GDP比3.3%に相当する1,650億リヤル(約440億ドル)の財政赤字を伴うものの、「ビジョン2030」の「第3フェーズ」の開始を意味するとされています。このフェーズでは、改革の最大化と規律ある実施に焦点が当てられており、特に非石油部門への投資とギガプロジェクトへの継続的な資金配分が強調されています。2026年には、保健・教育分野だけで4,600億リヤルを超える支出が見込まれており、これは国家の長期的な発展に向けたコミットメントを示しています。

支出の透明性と説明責任を強化する法制度と戦略

「ビジョン2030」の目標達成に向け、サウジアラビアは政府の効率性、透明性、説明責任を重視しています。その具体的な取り組みとして、2026年4月14日には金融統制法が施行されました。この法律は、公共財政の監視枠組みを強化し、支出の効率性を高めることを目的としています。また、2026年4月16日には、公共投資基金(PIF)の2026-2030年戦略が承認されました。この戦略は、ガバナンス、透明性、組織の卓越性の高い基準を維持することに重点を置いており、国家の主要な投資機関としての説明責任を強化するものです。

非石油経済への移行と課題

サウジアラビアの経済多角化は着実に進展しており、「ビジョン2030」開始前の40%だった非石油部門のGDP貢献率は、2024年末までに56%に増加しました。さらに、2025年には非石油歳入が総歳入の46%を占め、5,010億リヤルに達すると推定されています。しかし、この移行プロセスには課題も存在します。例えば、NEOMの「THE LINE」プロジェクトの一部見直しや遅延が報じられており、原油価格の変動が債券市場への資金調達依存度を増加させる可能性も指摘されています。これらの課題は、経済多角化の進捗と同時に、依然として存在する不確実性を示しています。

Reference / エビデンス