北米:連邦インフラ投資計画の予算配分と執行状況

2026年4月8日、北米各国では連邦インフラ投資計画が進行中であり、それぞれ異なる進捗と課題を抱えている。米国では「インフラ投資雇用法(IIJA)」が執行段階に入り、カナダでは「Build Communities Strong Fund」が正式に立ち上げられた。一方、メキシコでは公共投資の減少が課題となる中、新たなインフラ投資促進法案が提出されている。

米国:インフラ投資雇用法(IIJA)の進捗と執行状況

米国では、2021年11月15日に成立した総額1.2兆ドルの「インフラ投資雇用法(IIJA)」が、インフラ整備の主要な推進力となっている。2026年1月31日時点での最新データによると、IIJAの調整済み予算額は4,960億9,165万1,000ドルであり、このうち3,602億5,618万8,000ドルが義務化され、義務化率は72.62%に達している。また、支出額は2,136億7,116万3,000ドルで、支出率は43.07%となっている。

2026年は、IIJAの「実行の年」と位置づけられており、連邦道路庁(FHWA)は2026年3月5日に交通制御装置に関する統一マニュアル改訂版の最終規則を発表するなど、具体的な施策が進められている。 しかし、IIJAに基づく表面交通プログラムの認可は2026年9月30日に期限を迎えるため、今後の再承認に向けた議論が活発化している。 執行上の課題としては、「Buy America, Buy America (BABA) 規則」による遅延やコスト増が指摘されており、国内産品の調達要件がプロジェクトの進行に影響を与えている。

カナダ:Build Communities Strong Fundの立ち上げと初期配分

カナダでは、2026年4月7日および4月9日に「Build Communities Strong Fund」が正式に立ち上げられた。 この基金は、今後10年間で総額510億カナダドルを投資する大規模な計画であり、経済的繁栄、住宅、スポーツ、教育、医療、交通、気候変動適応など、幅広いインフラプロジェクトを支援することを目的としている。

基金の内訳は、州・準州ストリームに172億ドル、直接交付ストリームに60億ドル、コミュニティストリームに278億ドルが配分される。 初期配分として、オンタリオ州には60億ドル、ケベック州には36億ドルが割り当てられることが発表された。 また、最初の13プロジェクトには連邦資金として3億ドルが配分され、その中にはオンタリオ州ブランプトンにおける6,400万ドル規模のコミュニティセンタープロジェクトも含まれている。

メキシコ:インフラ投資の課題と新たな法案

メキシコでは、インフラ投資において課題が顕在化している。2026年2月までの生産的公共投資は44.9%減少し、特にエネルギー部門では75.3%の大幅な減少が見られた。 この減少は、政府の野心的なインフラ計画と実際の財政執行との間に大きな隔たりがあることを示している。

このような状況の中、メキシコ政府は2026年から2030年にかけて5.6兆メキシコペソ(約3,250億ドル)のインフラ投資計画を推進している。 この計画は、エネルギー、鉄道、道路、港湾、保健、水道など8つの分野に重点を置いている。 さらに、2026年3月19日には「開発と福祉のための戦略的インフラ投資促進法案」が提出された。 この法案は、公共・民間・社会セクターの協調的な参加を促し、新たな資金調達スキームを導入することで、インフラ投資の活性化を目指している。 新しい投資手段の導入や規制の更新、全国データベースの提供などが戦略の柱とされており、官民連携による投資拡大が期待されている。

Reference / エビデンス