2026年4月5日 北米連邦選挙に伴う経済・通商政策の変遷

2026年4月5日、北米大陸では連邦選挙が経済・通商政策に与える影響が引き続き注目されている。米国、カナダ、メキシコの各国政府は、それぞれの国内事情と国際情勢を鑑みながら、貿易協定の見直しや関税政策の調整を進めている。特に、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の6年目見直しが7月に迫る中、各国の動向は北米経済の未来を左右する重要な局面を迎えている。

米国:トランプ政権下の貿易政策とUSMCA見直しの動向

2026年4月5日現在、トランプ政権は「アメリカ・ファースト」を掲げた貿易政策を継続しており、保護主義的な姿勢を強めている。特に、中国からの鉄鋼・アルミニウム輸入に対しては、4月5日に50%の追加関税を課すことを決定した。これは、国内産業の保護を目的とした強硬な措置として注目されている。

また、2026年7月に予定されているUSMCAの6年目見直しに向けて、米国通商代表部(USTR)代表は4月7日、再交渉が期限後も継続する可能性を示唆している。これは、USMCAが発効から6年目を迎えるにあたり、米国が協定内容のさらなる見直しを求めていることを示唆している。

関税政策においては、2026年2月20日に米国最高裁判所が国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく関税の一部を無効とする判決を下したものの、これに代わり10%のセクション122追加課徴金が導入されるなど、貿易法の執行強化の方針は変わっていない。

カナダ:カーニー政権の経済・通商政策と対米関係

カナダでは、2025年4月28日の総選挙で自由党が政権を維持し、カーニー政権が継続している。カーニー政権は、トランプ米大統領の保護主義的な貿易政策に対し、カナダの独立性を強調しつつも、対米関係の安定化を図る姿勢を示している。2025年4月29日には、カーニー首相とトランプ米大統領との会談が行われ、両国間の貿易問題について協議された。

経済面では、2026年1月の実質GDP成長率が0.1%の回復を見せ、経済の緩やかな持ち直しが示唆されている。また、カナダはNATO国防費目標として、2029-2030年度までにGDPの2%を達成する方針を掲げており、国際的な役割も強化している。

メキシコ:シェインバウム政権の経済・貿易政策とUSMCAへの姿勢

2024年6月の大統領選挙で勝利したシェインバウム政権は、2026年度経済パッケージの概要を発表し、経済の安定と成長を目指している。USMCAの見直しに対しては、メキシコ政府は協議が順調に進んでいると強調しており、協定の維持に前向きな姿勢を示している。

政権の人事再編も進んでおり、2026年4月1日には外相交代を含む重要な人事が発表された。貿易政策では、2026年1月1日に1,463の関税コードに対する関税引き上げが導入され、国内産業の保護を図っている。特に、中国産鉄鋼に対する関税措置も強化されており、不公正な貿易慣行への対応を強化している。

北米経済指標と市場の反応(2026年4月上旬)

2026年4月上旬、北米主要国の経済指標が発表され、市場の注目を集めている。4月5日に発表された米国の3月雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比17万8,000人増加し、失業率は4.3%となった。これは、堅調な労働市場を示唆するものの、インフレ圧力への警戒感も高まっている。

また、4月10日には米国3月消費者物価指数(CPI)の発表が予定されており、市場はインフレ動向を注視している。4月4日には、中東情勢の緊迫化が報じられ、原油価格は1バレルあたり111ドル台で高止まりしている。この原油価格の高騰は、インフレ警戒感をさらに強める要因となっており、各国の中央銀行の金融政策に影響を与える可能性がある。

Reference / エビデンス