グローバルサウス、多角外交で政治的自律性を確立:2026年3月末の動向

2026年3月31日、グローバルサウス諸国は、特定のイデオロギーに縛られない多角的な外交戦略を積極的に展開し、国際社会における政治的自律性を確立しつつある。BRICSの拡大と協力深化、グリーン経済を重視した金融協力、そして中東情勢への対応は、これらの国々が新たな国際秩序の形成において果たす役割の重要性を示している。

BRICSの拡大と多角的な協力

2026年3月末、BRICSは経済、政治、文化、科学技術といった多岐にわたる分野で協力を深化させている。3月29日および30日に報じられたニュースによると、BRICS加盟国は、貿易、投資、インフラ開発における連携を強化し、新興国間の経済的結びつきを一層強固にしている。特に、インドが議長国を務める2026年のBRICSサミットは、新興国が国際的な影響力を高める上で極めて重要な意義を持つとされている。BRICSは、既存の国際機関とは異なる視点から、グローバルな課題解決に向けた新たな枠組みを提供し、多極化する世界においてその存在感を増している。

BRICSは、経済協力だけでなく、文化交流や科学技術協力においても具体的な成果を上げている。例えば、加盟国間での共同研究プロジェクトや技術移転の促進は、各国の持続可能な発展に貢献している。中国の習近平国家主席は、過去のBRICSサミットにおいて、経済協力の強化、政治・安全保障協力の深化、人文交流の拡大という3つの提案を行っており、これらの提案が現在のBRICSの活動の指針となっている。

グローバルサウスの金融協力とグリーン経済への注力

2026年3月26日に北京で開催されたグローバルサウス金融フォーラムでは、包摂的で持続可能な金融協力の推進が主要な議題となった。このフォーラムでは、特にグリーンファイナンスへの取り組みが強調され、国際的なグリーン資本の流れをグローバルサウスが牽引していくというコンセンサスが形成された。

参加国は、気候変動対策や環境保護プロジェクトへの投資を加速させるため、新たな金融メカニズムの構築や既存の枠組みの強化について議論した。また、中国が提唱する「一帯一路」構想との連携も視野に入れ、インフラ整備とグリーン経済の発展を両立させるための協力が模索されている。このフォーラムは、グローバルサウス諸国が自らの手で持続可能な開発を推進し、国際金融システムにおける発言力を高めようとする強い意志を示すものとなった。

主要新興国の政治的自律性と多極化する国際秩序

グローバルサウス諸国は、特定のイデオロギーに傾倒することなく、自国の国益に基づいて多角的な外交を展開し、政治的自律性を追求している。その象徴的な出来事として、3月28日には南アフリカがG7への招待を取り消されたと報じられた。これは、グローバルサウス諸国が主要先進国の意向に必ずしも従わないという姿勢を示すものと解釈できる。

3月31日に発表された日本国際フォーラムの提言も、新興国が直面する脆弱性と、経済主権確立に向けた自立型協力外交の重要性を強調している。新興国は、食料安全保障やエネルギー安全保障、債務問題など、複合的な課題に直面しており、これらの課題を克服するためには、自国主導の協力関係を構築することが不可欠である。

2026年1月に経団連が発表した報告書では、トランプ政権下の米国との関係性におけるグローバルサウスの視点が分析されている。報告書は、新興国の約6割がトランプ米大統領の貿易政策への判断力を信頼していないと回答したことを指摘しており、グローバルサウス諸国が主要先進国の政策に対して批判的な視点を持っていることを示唆している。

中東情勢とグローバルサウスのエネルギー安全保障

2026年3月29日から4月2日にかけて報じられた中東情勢は、グローバルサウス諸国のエネルギー供給と世界経済に深刻な影響を与える可能性を秘めている。特にイラン情勢の緊迫化と、世界の原油輸送の要衝であるホルムズ海峡の安全保障は、グローバルサウス諸国にとって喫緊の課題である。

3月26日から27日に開催されたG7外相会合や、3月11日のG7オンライン首脳会議でも、中東情勢、特にイラン情勢の早期沈静化に向けた議論が行われた。高市首相は、石油備蓄の放出方針を紹介するなど、エネルギー市場の安定化に向けた努力を表明した。

しかし、グローバルサウス諸国は、エネルギー供給の大部分を中東地域に依存しているため、情勢の不安定化は経済的な脆弱性を露呈させる。大和総研の2026年4月6日のレポートも、原油高・リスクオフ下での新興国の耐性について分析しており、多角的なエネルギー調達戦略の必要性が改めて浮き彫りになっている。

Reference / エビデンス