グローバルサウスにおける非米ドル決済網の構築と通貨多極化の進展:2026年3月の動向

2026年3月30日、国際金融秩序は歴史的な転換期を迎えています。グローバルサウス諸国が主導する非米ドル決済網の構築と通貨の多極化は、着実にその歩みを進めており、特にBRICS諸国による新たな決済システムの導入計画や中央銀行デジタル通貨(CBDC)の進展が注目されています。米ドルの「武器化」に対する懸念や、グローバルサウスの金融協力強化への機運が高まる中、国際金融システムは新たな局面へと移行しつつあります。

BRICSによる非米ドル決済網「Brics Pay」の導入加速

2026年3月30日付の報道によると、BRICSは国際金融秩序の再編を加速しており、2026年の段階的な稼働を目指す統一決済システム「Brics Pay」の導入計画が具体化しています。BRICSは長期的には独自の決済インフラや超国家的な計算単位の創設も視野に入れているとされています。2026年にはBRICS同盟が世界のGDPの35%以上、世界人口の45%を代表するまでに拡大すると予測されており、その経済的影響力は増大の一途を辿っています。

脱ドル化戦略は勢いを増しており、現地通貨での貿易決済が増加している現状が顕著です。特にロシアと中国間ではルーブルと元による決済が増加しており、イランやアラブ首長国連邦(UAE)といった新規BRICSメンバーも現地通貨貿易のパラダイムに参加しています。

中央銀行デジタル通貨(CBDC)の進展と多極化への影響

2026年3月23日時点の最新状況では、中央銀行が発行するデジタル形式の法定通貨であるCBDCが、国際金融秩序を変える可能性を秘めていることが改めて認識されています。特に、中国のデジタル人民元は2026年1月から利息付与を開始し、世界初の利息付きCBDCとなりました。

一方、日本銀行は実証実験を進めているものの、現時点では発行計画がないという慎重な姿勢を維持しています。

2026年3月には「デジタル通貨カンファレンス」が開催され、ステーブルコイン、トークン化預金、CBDCなど、通貨とブロックチェーンが交差する最前線が議論される場となりました。

グローバルサウスの金融協力強化と脱ドル化の背景

2026年3月26日に北京で開幕した「2026年グローバルサウス金融家フォーラム」には、30以上の国・地域の政府関係者、銀行関係者、ビジネスリーダー、国際機関の代表が集結しました。このフォーラムでは、より包摂的で持続可能な金融協力の強化に向けた連携が図られ、グローバルサウス諸国がより強力な金融協力を求め、その推進にはグローバルサウスの強みと知恵を結集することが必要であるとの認識が共有されました。

米ドルの「武器化」は脱ドル化を加速させており、多くの国にとってドルへの過度な依存が国家安全保障上のリスクとして認識されています。

また、2025年末時点で米国の公的債務が37.6兆ドルを超え、対GDP比で約124%に達しているという財政的な懸念も、脱ドル化の動機として挙げられます。

日本においても、経済産業省は2026年3月30日に令和7年度補正予算「グローバルサウス未来志向型共創等事業」の公募を開始しました。これは、日本企業と現地企業による社会課題解決やサプライチェーン強靭化への貢献が期待されるものです。

多極化する国際金融システムと今後の展望

2026年3月2日に開催された第34回国際金融シンポジウム「岐路に立つグローバリゼーション~世界経済は分断を乗り越えられるか」では、ドルを基軸とする国際金融体制の将来像が活発に議論されました。グローバリゼーションが単純に後退するのではなく、供給網の分散や安全保障を踏まえた再構築が進む一方、サービスやデジタル分野では国境を越えた連携が続いているという見解が示されています。

国際金融システムの多極化は、暗号通貨市場にも影響を与えています。2026年3月9日時点でのビットコイン価格は66,243ドルでしたが、市場センチメントは「極度の恐怖」を示す指数8でした。BRICSの脱ドル化戦略は、伝統的な金融システムからの資金流出を促し、暗号通貨市場への新たな資金流入を誘発する可能性も指摘されています。

Reference / エビデンス