北米:対外経済制裁と特定企業への輸出規制措置(2026年03月28日)
2026年3月28日、北米地域では対外経済制裁および特定企業への輸出規制措置に関する新たな動きが活発化している。特に、過去48時間以内に発表された具体的な措置や、2026年中に本格施行される主要な規制変更に関する3月中の議論は、国際貿易に大きな影響を与えるものとして注目されている。
カナダによるイラン関連企業への追加制裁
2026年3月26日、カナダ政府はイランの兵器生産ネットワークに関与する4団体に対し、追加制裁措置を発表した。この措置は、イランの不安定化を招く活動への関与を背景としたもので、対象企業との取引禁止や資産凍結などが含まれる。カナダ政府は、イランの兵器開発能力を阻害し、地域の安全保障を強化する姿勢を明確にしている。
米国の輸出管理規則(EAR)「アフィリエイト・ルール」の2026年再適用に向けた動向
米国商務省産業安全保障局(BIS)は、2026年11月10日に本格施行を予定している輸出管理規則(EAR)の「アフィリエイト・ルール」(50%ルール)について、3月中に活発な議論が行われている。このルールは、エンティティ・リスト(EL)に掲載された企業が50%以上の持分を保有する外国企業も、親会社と同等の輸出規制の対象とするもので、日本企業を含む多くの国際企業に影響を及ぼす可能性がある。 企業は、所有構造の可視化やシステム整備など、2026年11月までの対応体制構築が急務とされている。
米国における特定製品の輸入・輸出規制強化
2026年3月27日、米国連邦通信委員会(FCC)は、国家安全保障上の脅威となり得る外国製ルーターの輸入・販売を実質的に禁止する措置を発表した。 この措置は、既にFCCの認証を受けている既存のルーターには影響しないものの、未認証の新型外国製モデルが対象となる。 また、3月13日には、米国通商代表部(USTR)が強制労働産品に関する通商法301条調査を開始した。 この調査は、韓国や日本を含む60カ国・地域を対象とし、強制労働によって生産された商品の輸入を阻止することを目的としている。 調査終了後には、対象国に追加関税や輸入制限措置が講じられる可能性があり、関連企業はサプライチェーンの透明性確保が求められる。
米国による対中AIチップ輸出規制の条件付き緩和
2026年3月5日に報じられた情報によると、米国政府は対中AIチップ輸出規制を条件付きで緩和した。 NVIDIAの「H200」やAMDの「MI325X」といった特定製品は、個別審査と25%の関税を条件に中国への輸出が許可されることになった。 この方針転換は、米国の技術エコシステムを強化しつつ、中国の技術成長から利益を得ることを目的としている。 しかし、中国企業は、高度なトレーニング向けに米国製ハードウェアを確保する一方で、基本的なタスクには国産チップを使用せざるを得ない状況に直面している。
カナダによる対ロシア制裁の拡大
2026年2月24日に発表され、3月11日のニュースレターで詳細が報じられたカナダ政府による対ロシア制裁は、その範囲を拡大している。 ロシアの金融・物資調達ネットワーク、軍事・両用技術開発支援団体、および多数の個人が制裁対象に追加された。 これは、ウクライナ侵攻から4年が経過した現在も、カナダがロシアへの圧力を継続し、ウクライナの主権と領土保全を支持する姿勢を示すものである。
Reference / エビデンス
- Canada: Sanctions against 4 Iranian entities (March 2026) - Global Trade Alert
- Canada: Sanctions against 4 Iranian entities (March 2026) - Global Trade Alert
- 2026年米Affiliates Rule復活への実務対応|50%ルールの要点解説 - 赤坂国際法律会計事務所
- 【2026年対応必須】輸出管理規制の大変革 — 項目別対比表とEARアフィリエイト・ルールを徹底解説 | TIMEWELL
- ジェトロ ビジネス短信 - 米連邦通信委、外国製ルーターの輸入・販売を実質禁止
- ジェトロ ビジネス短信 - カナダの対米報復措置に懸念を表明、2026年外国貿易障壁報告書(カナダ編)
- 米国がAIチップの対中輸出を再開 米中は「管理された相互依存」に - EE Times Japan
- ベーカーマッケンジー Newsletter - カナダ:ウクライナ侵攻から4年、対ロシア制裁を拡大