北米:連邦債務上限問題の政治的妥結と財政の推移

2026年3月27日、北米の連邦財政は、2025年7月の「One Big Beautiful Bill Act」による債務上限の引き上げにより、差し迫った危機を回避しているものの、依然として高水準の赤字と国債残高に直面しています。最新の財政データは、連邦政府の支出が継続的に増加し、歳入の動向が財政健全化への課題を示していることを浮き彫りにしています。本稿では、これらの財政トレンドと、過去の債務上限問題の政治的妥結が現在の財政状況に与える影響を詳細に分析します。

2026年3月の財政赤字と支出動向

2026年3月の連邦政府の月間財政赤字は1,630億ドルに達しました。これは2025年3月と比較して約30億ドルの増加です。支出総額は5,490億ドルで、2025年3月より210億ドル増加しました。過去12ヶ月間の累積赤字は1.6兆ドルに上り、これはGDPの約5.2%に相当します。これらの数値は、連邦政府の支出が引き続き高水準で推移していることを示しています。

連邦債務の現状と将来予測

2026年3月現在、米国の総国債残高は39兆ドルに達しています。2026会計年度上半期(10月から3月)の連邦予算赤字は1.2兆ドルで、前年同期より1,390億ドル減少しました。しかし、CBOの予測では、2026会計年度の赤字は1.9兆ドルに達し、2036年までに3.1兆ドルに増加すると見込まれています。国債の平均金利は2026年2月時点で3.355%であり、金利上昇が利払い費を増加させています。長期的に見ると、2026年から2056年の間にGDPに対する債務比率は100%から175%に膨れ上がると予測されています。

債務上限問題の政治的妥結とその影響

2025年7月、「One Big Beautiful Bill Act」が署名され、債務上限が5兆ドル引き上げられ、41.1兆ドルとなりました。これにより、次の債務上限を巡る対立は1年から2年程度先送りされると見られています。この妥結は、2025年1月に債務上限(36.1兆ドル)に達し、財務省が「非常措置」を講じた後に実現しました。この法案の税制および歳出規定は、今後10年間で連邦債務に推定3.4兆ドルを追加すると予測されています。

2026年度予算と歳入の動向

2026会計年度(2025年10月1日~2026年9月30日)の連邦政府の歳出は、2026年2月までに3.10兆ドルに達しました。これは前年同期比で630億ドルの増加です。歳入は2026年3月に3,860億ドルとなり、前年同月比で180億ドル増加しました。この増加は主に、関税および個人所得税と給与税の徴収増によるものです。2026会計年度の予算は、国防費の増加と非国防費の削減が相殺され、総額1.6兆ドル近くで推移すると見られています。また、2026年3月27日には、上院が国土安全保障省の資金調達法案を可決しましたが、下院は修正版を可決し、移民・関税執行局(ICE)と国境警備隊を含む国土安全保障省に2026年5月22日まで資金を提供する内容となりました。

Reference / エビデンス