東アジア:海洋資源権益を巡る沿岸国の政治的動向

2026年3月27日、東アジア地域では海洋資源権益を巡る各沿岸国の政治的動向が活発化している。南シナ海、東シナ海、竹島(独島)といった主要な係争地域では、中国、フィリピン、日本、韓国、ベトナムがそれぞれの主張と行動を展開。特に日本の新たな海洋資源開発戦略は、地域のパワーバランスに影響を与える可能性を秘めている。

南シナ海における領有権問題と中国・フィリピンの動向

南シナ海では、中国とフィリピンの間で領有権を巡る緊張と外交努力が交錯している。3月28日には、両国が南シナ海問題で重要な合意に達したと報じられた。これは、長らく膠着状態にあった両国関係において、前向きな進展として注目される。

しかし、そのわずか3日前となる3月25日には、フィリピン軍が南沙諸島海域で中国軍艦が危険な操縦を行ったとする映像を公開し、「挑発的な行為だ」と非難した。映像には、中国軍艦がフィリピンの船舶に極めて接近し、衝突を回避する様子が捉えられていたとされる。フィリピンは南シナ海問題において多国間協力を模索しており、米国との共同航行も実施している。一方、中国はフィリピンによる南沙諸島の島嶼改名に反発し、「国際法違反」であると主張している。

東シナ海における資源開発と日本の対応

東シナ海では、中国による一方的な海洋資源開発が日本の懸念事項となっている。3月下旬には、中国の海空力量が日本海関連海域に多方面から進入し、日本側がこれを頻繁に通報する事態が発生した。

日本は、2025年8月にも中国が東シナ海で一方的な資源開発を進めていることに対し、外交ルートを通じて厳重に抗議している。日本政府は、2008年に合意された共同開発に関する交渉の早期再開を中国に強く求めているものの、中国は依然として開発活動を継続している状況だ。

竹島(独島)を巡る日韓の対立

竹島(独島)の領有権を巡る日韓の対立は、依然として解決の糸口が見えない。3月31日、韓国政府は竹島へのアクセスを強化する基本計画を発表し、観光客の利便性向上を図る方針を示した。これは、実効支配を強化する動きとして日本側の反発を招く可能性がある。

また、3月24日には、韓国が日本の教科書検定結果に対し抗議を行った。日本の教科書が竹島を「日本固有の領土」と記述していることに対し、韓国は強く反発している。これに先立つ2月22日の「竹島の日」には、韓国政府が日本の記念式典開催に抗議し、即時廃止を要求していた。一方、日本は4月10日に発表される外交青書においても、「竹島は日本固有の領土であり、韓国が不法占拠している」との主張を継続する見込みである。

日本の海洋資源戦略:南鳥島レアアース開発

日本は、経済安全保障の観点から海洋資源開発戦略を加速させている。3月17日には、日本が南鳥島でのレアアース採掘・精製に3400億円を投じる計画が報じられた。この巨額投資は、中国へのレアアース依存からの脱却を目指す日本の強い意志を示すものだ。

南鳥島は世界有数のレアアース埋蔵量を誇るとされ、この開発が成功すれば、日本は「資源大国」への道を歩み始めることになる。これは、中国がレアアースを「資源の武器」として利用する可能性に対する、日本の防衛策としても機能すると期待されている。

ベトナムの海洋資源管理と輸出動向

ベトナムは、持続可能な海洋資源管理と経済発展の両立を目指している。3月21日、ベトナムはIUU(違法・無報告・無規制)漁業対策を含む漁業政策の整備を完了したと発表した。これにより、漁業管理能力の向上と持続可能な発展の推進が期待される。

しかし、3月31日に発表された2026年3月のベトナムの水産物輸出データは、中国市場への高い依存度を鮮明に示した。同月の水産物輸出額は9.27億ドルに達したが、米国や日本向けが減少する一方で、中国向けが大きく伸びており、輸出市場の偏りが課題となっている。ベトナムは、海洋資源の持続可能な利用と同時に、輸出市場の多角化も重要な政治的・経済的課題として認識している。

Reference / エビデンス