北米連邦選挙に伴う経済・通商政策の変遷:2026年3月26日時点の動向

2026年3月26日、北米大陸では連邦選挙を巡る政治的駆け引きが経済・通商政策に具体的な影響を与え始めています。米国の中間選挙に向けた政策議論、メキシコの新政権による貿易政策の変更、そしてカナダの連邦選挙後の経済計画が、関税、サプライチェーン、国内投資といった多岐にわたる分野で新たな動向を示しています。

メキシコ:新政権下の貿易政策とUSMCA見直し

メキシコ政府は2026年3月26日、官報を通じて鉄道用レール(HS7302.10.02)に関する関税割当の設定を公布しました。これは、2027年3月31日までの期限で15万トンを無税とするもので、2026年1月6日に発効した20%の一般関税率引き上げからの方針転換を示しています。この措置は、中国からの鉄鋼輸入に対するメキシコの関税措置と密接に関連しており、中国製レールが他国より27%以上低い輸出単価であることが、今回の関税割当設定の背景にあると分析されています。

一方、クラウディア・シェインバウム大統領は3月25日、USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)の見直しが順調に進んでいると発言しました。これに先立つ3月16日には、米国との間でT-MEC(USMCAのメキシコでの呼称)見直し協議が開始されており、サプライチェーンの強化やアジア依存度の低減が主要な議題となっています。

米国:中間選挙と関税政策の不確実性

2026年11月3日に予定されている米国中間選挙は、トランプ政権の政策運営に大きな影響を与えています。トランプ大統領は3月5日、各国に対する一律10%の関税を15%に引き上げる可能性を示唆し、貿易政策における強硬姿勢を改めて鮮明にしました。

しかし、この動きに対しては国内からの反発も強く、3月6日にはニューヨーク州やカリフォルニア州を含む24州がこの関税の差し止めを求めて提訴しました。 また、2月20日には連邦最高裁が広範な関税賦課を大統領権限の逸脱と判断し、メキシコ・カナダからの25%追加関税が失効したことは、今後の関税政策の方向性に不確実性をもたらしています。

2026年の米国経済は、大型減税の効果で底堅く推移し、物価はやや高めの伸びが予想されています。 中間選挙の年の株価は、年前半は軟調に推移し、秋以降に上昇するというアノマリーが指摘されており、市場は政治動向を注視しています。

カナダ:連邦選挙後の経済政策と地域経済の動向

カナダでは、2026年3月26日にオンタリオ州のピーター・ベスレンファルビー財務大臣が「2026年度予算:オンタリオ州を守るための計画」を発表しました。この予算は、雇用創出、投資誘致、税負担軽減を主要な目的とし、G7で最も競争力のある経済の構築を目指すものです。この予算は、関税問題や経済的不確実性に直面する中で策定されました。

2025年4月28日のカナダ連邦選挙では、マーク・カーニー党首率いる自由党が政権を維持しました。 新政権は、AIの商業化に向けた年間1,200万カナダドルの予算や、中小企業向けの年間1億カナダドル相当のAI導入税額控除といったテクノロジー分野支援策を打ち出しています。 カーニー首相は財政抑制を政権の優先事項としており、今後の経済政策の舵取りが注目されます。

Reference / エビデンス