日本:エネルギー政策の転換と原子力発電再稼働の推移(2026年3月26日時点)
日本は現在、エネルギー安全保障の強化とカーボンニュートラル達成という二つの喫緊の課題に直面し、そのエネルギー政策を大きく転換させています。特に、原子力発電と再生可能エネルギーの最大限の活用を軸とした方針が明確に打ち出されており、具体的な数値目標と政策調整が進められています。
日本のエネルギー政策の方向転換
2025年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画では、2030年度の電源構成目標として再生可能エネルギーを36~38%、原子力を20~22%と設定しています。さらに、2040年度には再生可能エネルギーを40~50%、原子力を20%程度とする目標が掲げられています。 この背景には、データセンターの増設などに伴うDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展や、GX(グリーントランスフォーメーション)への取り組みによる電力需要の増加があります。
また、中東情勢の悪化に伴うLNG(液化天然ガス)供給リスクの高まりを受け、政府はエネルギー供給の安定化に向けた短期的な政策調整も進めています。明日(27日)に正式決定される予定の新たな政策では、2026年4月から1年間限定で、非効率な石炭火力発電所の稼働率50%制限を一時的に解除する方針が示されています。
原子力発電再稼働の現状と進捗
原子力発電所の再稼働は着実に進んでおり、2026年3月31日時点では全国で15基の原子炉が再稼働していると報告されています。 特に注目されるのは、2026年2月に発電・送電を開始した柏崎刈羽原子力発電所6号機です。これは福島第一原発事故後、同設計の原子炉としては最大規模の再稼働となります。
その他の原子力発電所の進捗も報じられています。北海道知事は2025年12月10日、泊発電所3号機の再稼働に同意し、2027年の早期再稼働を目指しています。 また、東海第二発電所では、2026年3月時点での安全性向上対策工事の実施状況が報告されており、再稼働に向けた準備が進められています。
電力需給見通しと短期的な政策調整
経済産業省は明日(27日)に、2026年夏の全国電力需給見通しを公表する予定です。この見通しでは、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働により、最も需給が厳しいとされていた東京電力管内においても、安定供給に必要な供給余力(9月の供給予備率4.0%)が確保できる見通しであることが示される予定です。
また、同日に正式決定される予定の政策として、中東情勢悪化に伴うLNG調達リスクを考慮し、2026年4月から1年間、非効率な石炭火力発電所の稼働率50%制限を一時的に解除する方針が改めて確認されます。 なお、明日(27日)時点のJEPXスポット市場価格は14.08円/kWhとなる見込みです。
原子力規制委員会の審査状況
原子力規制委員会による新規制基準適合性審査は、2026年4月1日時点での状況に基づくと、引き続き慎重に進められています。 2026年3月18日に開催された第66回原子力規制委員会では、関西電力美浜発電所3号機の審査結果案などが議論されました。 翌3月19日の第1400回審査会合では、玄海原子力発電所3号炉および4号炉の基準津波変更に伴う適合性や、泊発電所3号機の工事計画認可申請が審議されています。
一方で、2026年1月には中部電力の不適切事案により、浜岡原子力発電所3号炉および4号炉の審査が中断される事態も発生しています。 しかし、他の発電所では進展も見られ、2026年4月3日には、志賀原子力発電所2号機の敷地周辺(海域)の断層評価に係る審査が「概ね妥当」と評価される見通しです。
Reference / エビデンス
- LNG価格の変動が日本に石炭依存の見直しを促します - SDKI Analytics
- 夏の電力需給見通し、柏崎刈羽原発再稼働で最も厳しい東電管内でも余力確保…中東情勢悪化で石炭火力活用
- 日本のエネルギー政策 (2026年4月9日 No.3725) | 週刊 経団連タイムス
- 日本のエネルギー政策の基本的方向性 ~第7次エネルギー基本計画の主な内容
- 【2026最新】今後の電力需要予測を人口減少や産業用需要を踏まえて解説
- 【2025年最新版】日本の発電割合を徹底解説:再エネ・原子力・火力の現状と今後の展望 - 脱炭素経営のためのCO2排出量見える化
- エネルギーミックスとは何?2030年までの目標や理想の割合、現在の課題を徹底解説 | エコでんち
- 【2025年度最新】エネルギーミックスとは?国内外の動向を解説
- 原子力政策に関する 最近の動向について - 経済産業省
- 全国の原発の再稼働状況と、これから「くるもの」/2026年3月中旬
- 安全性向上対策工事について 2026年3月 - 日本原子力発電
- 福島の記憶薄れる日本、原発の役割拡大を目指す
- 原子力施設新規制基準適合性審査状況 | 原子力安全推進協会
- 最近のエネルギー政策を巡る動向について
- 2026年度の電力需給見通しについて
- 夏の電力需給見通し、柏崎刈羽原発再稼働で最も厳しい東電管内でも余力確保…中東情勢悪化で石炭火力活用
- 燃料調達をめぐる動向と 電力・ガスの安定供給について 2026年3月27日 資源エネルギー庁資料
- 燃料調達をめぐる動向と 電力・ガスの安定供給について - 経済産業省
- 原子力政策に関する 最近の動向について - 経済産業省
- 新規制基準適合性審査状況 - 原子力規制委員会
- 原子力規制委員会の審査状況 - 北陸電力
- [N-ADRES]第66回原子力規制委員会 令和8年03月18日
- [N-ADRES]第1400回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合 令和8年03月19日