日本:資産課税および相続税制改正の政治的推移(2026年3月25日時点)
2026年3月25日、日本の税制改正を巡る政治的な議論は、資産課税の強化と相続税・贈与税の一体化を主要な焦点として、与野党間で活発な動きを見せている。特に、富裕層への課税強化は、格差是正と財源確保の観点から与党内で議論が加速しており、関連法案の進捗が注目される。
2026年度税制改正における資産課税の主要論点
2026年度税制改正に向けた与党税制調査会では、3月23日から3月27日の期間にわたり、資産課税のあり方について集中的な議論が行われている。特に、不動産や金融資産に対する課税強化の可能性が主要な論点として浮上しており、具体的な税率や課税対象範囲の見直しが検討されている模様だ。一部では、相続時精算課税制度の見直しも議論の俎上に載っているとされる。
与党が2025年12月19日に決定した「令和8年度与党税制改正大綱」では、資産課税に関する重要な見直しが盛り込まれた。特に、長年相続税対策として活用されてきた不動産の評価方法が変更される点が注目されている。貸付用不動産については、相続開始や贈与の前5年以内に対価を伴って取得または新築した場合、原則として「通常の取引価額に相当する金額」で評価されることになり、相続直前の不動産購入による節税効果は大幅に限定される見込みだ。
また、任意組合型などの不動産小口化商品についても、取得時期にかかわらず一律で「通常の取引価額に相当する金額」で評価する方針が示されており、既存の不動産オーナーも今後の資産配分を再検討する必要がある。
相続税・贈与税一体化の政治的動向と課題
2026年3月25日を中心とした期間において、相続税と贈与税の一体化に関する政治的な議論は進展を見せている。一体化の目的は、生前贈与による資産移転を通じた相続税回避を防ぎ、より公平な資産再分配を実現することにあるとされている。
しかし、中小企業の事業承継への影響や、国民の理解を得るための制度設計の複雑さなど、多くの課題が指摘されている。特に、一体化の具体的なスキームや、非課税枠の設定が今後の焦点となる。税制専門家は、2026年度税制改正における資産移転税制の見通しについて、相続税と贈与税の一体化が不可避の方向性であるとの認識を示している。
一方で、一体化が実現した場合、特に若年層への資産移転が停滞する可能性や、資産の流動性が低下する懸念も表明されている。あるエコノミストは、一体化によって年間約500億円の税収増が見込まれる一方で、経済活動への負の影響も考慮すべきだと指摘している。
富裕層への課税強化に関する与党内の議論
2026年3月25日時点での富裕層への課税強化に関する与党、特に自民党内での議論は活発化している。2025年12月19日に決定された「令和8年度与党税制改正大綱」では、年間所得額が1億円を超えると税負担率が下がる「1億円の壁」の是正に向け、2027年から超富裕層への課税を強化する方針が打ち出された。
具体的には、追加の税負担を課す年間所得の基準を現行の30億円超から6億円超に引き下げ、対象者への適用税率も22.5%から30%に引き上げられる。 これにより、約200人程度とされる追加課税の対象者が約2000人程度に広がり、追加的な増税規模は3000億円程度となる見込みだ。
自民党内では、高額な金融資産や不動産を保有する層に対する新たな課税措置の導入が検討されており、党内の若手議員を中心に議論が加速している。これは、格差是正と財源確保の両面から必要との認識が背景にある。
3月23日から3月25日の党内会議では、年間所得1億円を超える層への課税強化案や、金融所得課税の見直しなどが具体的に議論された。一部のベテラン議員からは、国際競争力の低下を懸念する声も上がっているが、国民の理解を得るためには不可欠との意見が多数を占めている。
また、個人住民税における寄附金税額控除限度額(ふるさと納税)についても、高所得者であっても所得に比例して上限なく限度額が増えてしまうことが問題視され、個人住民税所得割額の2割と193万円とのいずれか低い金額に改正される。この193万円の定額上限は給与収入1億円を基準として設定されており、寄附金額としては約438万円がふるさと納税制度を最大に活用できる上限金額となる。