グローバルサウス:政権交代に伴う資源国有化と投資環境(2026年03月25日)
2026年3月25日、グローバルサウス諸国は、資源ナショナリズムの台頭、地政学的リスクの増大、そして政権交代による政治的混乱という複合的な課題に直面している。同時に、グリーン経済への移行という新たな投資機会も模索されており、国際社会からの注目が集まっている。本稿では、この48時間前後の最新動向を中心に、グローバルサウスの投資環境の変容を詳細に分析する。
グローバルサウスにおける投資環境の変容とグリーン経済へのシフト
グローバルサウスは、グリーン投資の新たな重要な拠点として急速に浮上している。来る3月27日には「2026年グローバルサウス金融フォーラム」が開催され、国際的なグリーン資本の流れを牽引するための具体的な行動が議論される見込みだ。これは、コンセンサスから行動への移行を示す重要な動きとして注目されている。
日本政府もグローバルサウスとの連携強化に積極的に乗り出している。経済産業省は、3月30日に事前周知された「グローバルサウス未来志向型共創等事業」を通じて、小規模実証・FS事業への支援を強化する方針だ。この事業は、グローバルサウス諸国との持続可能な経済成長に向けた共創を促進し、具体的な数値目標として、日本の技術やノウハウを活用したプロジェクトの創出を目指している。経団連もまた、2026年1月8日に「グローバルサウスとの連携強化に向けて」と題する提言を公表し、官民連携による投資促進の重要性を訴えている。
しかし、投資環境には潜在的なリスクも存在する。国際通貨研究所が3月11日に発表したレポートは、グローバルサウス主要国における人的資本投資の課題を指摘し、政府のコミットメントの重要性を強調している。さらに、国際通貨基金(IMF)は4月7日、新興国向け資金流入において投資家の「逃げ足の速さ」に警鐘を鳴らしており、予期せぬ事態が発生した場合の急激な資金流出リスクが懸念される。
資源ナショナリズムの台頭と地政学的リスクの増大
中東情勢の緊迫化は、グローバルサウスの資源政策と投資環境に深刻な影響を与えている。3月23日時点で原油価格は急騰し、インフレ懸念が再燃した。これを受け、米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)の金融政策観測は、利下げから引き締め方向へと大きく修正される可能性が高まっている。
2月28日の米国によるイラン攻撃以降、地政学的リスクは一層高まり、3月27日時点で新興国通貨は対ドルで全面安の状況にある。特に韓国証券市場からは、この1カ月で過去最大となる365億ドル(約5兆8000億円)もの外資が流出しており、国際的な投資家のリスク回避姿勢が鮮明になっている。
重要鉱物資源を巡る国際競争も激化の一途を辿っている。3月5日には国連が重要鉱物資源の安定供給に向けた国際協力の強化を呼びかけ、2月4日には米国主催の閣僚会合が開催されるなど、各国が資源確保に奔走している。このような状況下で、資源豊富な途上国はグローバルなバリューチェーンの中心になりつつあり、資源国有化の動きが加速する可能性を秘めている。これは、投資家にとって新たな機会となり得る一方で、政治的リスクの増大という側面も持ち合わせている。
政権交代・政治的混乱が投資環境に与える影響
グローバルサウスにおける政権交代や政治的混乱は、投資環境に直接的な影響を及ぼす。特に、イラン最高指導者ハメネイ師の死去に伴うイラン国内の政治的混乱は、中東情勢を一層不安定化させている。これに続くホルムズ海峡の事実上の封鎖は、世界のエネルギー市場に壊滅的な影響を与え、原油価格は一時1バレル=100ドル超に急騰し、液化天然ガス(LNG)価格も大幅に上昇した。
この混乱は、日本のエネルギーコストにも月数千億円規模で増加する影響を与えており、中東に駐在する日本企業の事業継続も困難な状況に陥っている。
新興国の中でも、中東情勢悪化に対する耐性は国によって大きく異なる。ブラジルは原油純輸出国であるため、原油価格の上昇が経済にプラスに作用し、比較的高い耐性を持つとされている。一方で、南アフリカは原油輸入国であり、経済構造上、原油価格高騰の打撃を最も大きく受ける国の一つと見られている。このように、グローバルサウス諸国への投資を検討する際には、各国の経済構造や地政学的リスクへの脆弱性を慎重に見極める必要がある。
Reference / エビデンス
- グローバルサウス主要国の人的資本の投資状況と課題
- Xinhua Silk Road:コンセンサスから行動へ、グローバル・サウスが国際的なグリーン資本の流れを牽引 - ZDNET Japan
- 提言「グローバルサウスとの連携強化に向けて」を公表 (2026年1月8日 No.3712) - 経団連
- 経済産業省の経済協力
- 令和7年度補正予算 グローバルサウス未来志向型共創等事業(小規模実証・FS事業) 第1回公募に向けた最新動向と準備ポイント | イースクエア
- IMFが新興国向け資金流入で警鐘、危機時の逃げ足速い投資家が大半 - ニューズウィーク
- グローバルサウスの重要鉱物争奪と国家戦略:供給網再編の最新動向 - Vantage Politics
- 原油高・リスクオフ下での新興国の耐性は | 大和総研
- 今月のチャート - 情勢次第で下振れと急反発のいずれの可能性もある
- 2026年3月|国際情勢レポート - いい政治ドットコム
- イランのハーグ島とは-イラン原油輸出の心臓部が中東危機とホルムズ海峡封鎖リスクを左右する理由 - セキュリティ対策 Lab
- 中央日報 - 韓国の最新ニュースを日本語でサービスします
- 原油高・リスクオフ下での新興国の耐性は | 大和総研
- 2026年3月|国際情勢レポート - いい政治ドットコム