グローバルサウス:主要新興国の多角外交と政治的自律性

2026年3月26日、国際社会はグローバルサウスの台頭がもたらす国際秩序の多極化を改めて認識しています。主要新興国は、伝統的な大国への依存を脱し、多角的な外交戦略と政治的自律性を追求する動きを加速させています。BRICSの拡大、経済的影響力の増大、国際機関における発言力強化に加え、デジタル主権やグリーン金融といった新たな領域での自律性追求が、その動向を特徴づけています。

BRICSの拡大と国際秩序への影響

BRICSは、2026年の拡大により、世界のGDPの約35%、人口の約45%を占める巨大な経済圏へと成長しました。この拡大は、国際貿易における脱ドル化の動きを加速させ、西側主導の金融機関に対する挑戦として、多極化する国際秩序においてBRICSが果たす役割を一層強固なものにしています。

BRICSへの加盟を希望する国は増加の一途をたどっており、その中にはアルジェリア、アルゼンチン、バーレーン、バングラデシュ、ベラルーシ、ボリビア、キューバ、エジプト、エチオピア、ホンジュラス、インドネシア、イラン、カザフスタン、メキシコ、ナイジェリア、パキスタン、サウジアラビア、セネガル、シリア、タイ、チュニジア、トルコ、アラブ首長国連邦、ウルグアイ、ベネズエラ、ベトナムなどが名を連ねています。 また、BRICSは「パートナー国」という新たな枠組みを創設することで、さらなる拡大を目指しています。 この動きは、既存の国際秩序に対する新たな勢力図を描き出し、国際的なパワーバランスに大きな変化をもたらす可能性を秘めています。

グローバルサウスの多角外交と政治的自律性の追求

グローバルサウス諸国は、伝統的な大国に過度に依存しない「二重戦略」や「独立した国々の連合」を追求し、政治的自律性を高めています。その顕著な例の一つが、デジタル主権の重要性に対する認識の高まりです。2026年3月21日に発表されたトゥフ・ヌグラハ氏の論考「AI主権とグローバル・サウスの第三の道」では、グローバルサウスがAI技術の発展において、特定の超大国に支配されない独自の道を模索していることが示唆されています。

また、気候変動対策においても、グローバルサウスは先進国との交渉において、より公平で自律的な立場を主張しています。過去の排出責任や、気候変動への適応に必要な資金・技術移転に関して、先進国に具体的な行動を求める姿勢は、政治的自律性を追求する彼らの強い意志の表れと言えるでしょう。

新たな国際協力の枠組みとグリーン金融

本日2026年3月26日に開催された「2026年グローバルサウス金融フォーラム」では、グローバルサウスにおける包摂的で持続可能な金融協力、特にグリーン金融の推進に向けた重要な成果が発表されました。フォーラムでは、国際的なグリーン資本の流れをグローバルサウスが牽引していくためのコンセンサスが形成され、具体的な行動計画が議論されました。

中国は、このグリーン金融の推進において重要な役割を担っており、グローバルサウス諸国がエネルギー自給と経済効率向上を目指すグリーン転換戦略を支援しています。この新たな国際協力の枠組みは、持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けたグローバルサウスの貢献を加速させるとともに、彼らの経済的自律性を一層強化するものと期待されます。

日本のグローバルサウス連携戦略

日本政府および経済界は、グローバルサウスとの連携強化を喫緊の課題と位置づけ、多角的な戦略を展開しています。2026年1月8日に経団連が公表した提言「グローバルサウスとの連携強化に向けて」では、自由で開かれた国際秩序の維持・強化、経済安全保障の確保、そして社会課題解決への貢献といった観点から、具体的な連携策が示されました。

外務省は、2026年の業務説明会において「ODA×OSAクロストーク」を開催し、グローバルサウス連携のための戦略的ツールとしての政府開発援助(ODA)と政府安全保障能力強化支援(OSA)の重要性を強調しました。 日本は、これらのツールを通じて、グローバルサウス諸国の経済成長と安定を支援し、サプライチェーンの強靭化や、気候変動、保健といった地球規模の課題解決に貢献することで、国際社会における信頼と存在感を高めていく方針です。

Reference / エビデンス