グローバルサウスの非米ドル決済網構築と通貨多極化の進展:2026年3月の動向

2026年3月26日、国際金融市場は、グローバルサウス諸国が推進する非米ドル決済網の構築と、それに伴う国際通貨の多極化という歴史的な転換点に注目している。特にBRICS諸国による統一決済システムの具体化と、同日に北京で開催された「2026年グローバルサウス金融家フォーラム」での議論は、今後の国際金融秩序を大きく左右する可能性を秘めている。

BRICSによる非米ドル決済システムの具体化

BRICS諸国は、2026年の稼働を目指す統一決済システム「Brics Pay」の進捗を加速させている。このシステムは、米ドルおよび国際銀行間通信協会(SWIFT)への依存度を低減させることを主な狙いとしている。ブラジル247が3月30日に報じたところによると、BRICSは独自の決済システムを構築することで、加盟国間の貿易決済をより効率的かつ安全に行うことを目指しているという。

特に注目されるのは、インドが提案する中央銀行デジタル通貨(CBDC)の連携構想である。これは、各国の中央銀行デジタル通貨を相互接続することで、国境を越えた決済を迅速かつ低コストで実現しようとするものだ。Berliner Zeitung (BZ) が1月26日に報じたように、この構想は、国際金融秩序における米ドルの支配的な地位を揺るがし、より多極的な通貨システムへの移行を促す可能性を秘めている。

BRICS諸国は、2026年までにこの独立した決済システムを立ち上げる準備を進めており、これにより米国の制裁リスクを回避し、自国の経済主権を強化する狙いがある。

グローバルサウス金融家フォーラムと金融協力の深化

2026年3月26日、中国・北京で「2026年グローバルサウス金融家フォーラム」が開催された。このフォーラムには、30以上の国・地域から政府関係者、銀行関係者、ビジネスリーダー、国際機関の代表者が集結し、より包摂的で持続可能な金融協力の強化について議論した。

新華社通信の報道によると、フォーラムでは特にグリーン金融連携の推進が主要な議題となり、グローバルサウス諸国が国際的なグリーン資本の流れを牽引する役割を果たすことの重要性が強調された。 参加者からは、気候変動対策への投資を加速させるための新たな金融メカニズムの構築や、開発途上国におけるグリーンプロジェクトへの資金供給を拡大するための協力体制の強化が提唱された。このフォーラムは、グローバルサウス内での金融協力の深化に向けた具体的な行動計画を策定する上で重要な一歩となった。

ドル離れの潮流と国際通貨の多極化

2026年3月26日前後の為替市場では、イラン情勢の緊迫化を背景に「有事のドル買い」が見られる一方で、国際通貨システムにおける「ドル離れ」という長期的な潮流が同時に進行している。 IMFが3月27日に公表した最新のCOFERデータ(2025年12月末時点)は、世界の外貨準備における米ドルの比率が長期的に低下傾向にあることを示しており、国際通貨の多極化が進んでいる現状を裏付けている。

この矛盾する動きは、国際情勢の不確実性が高まる中で、依然として米ドルが安全資産としての地位を保ちつつも、同時に各国が米ドルへの過度な依存を避ける動きを強めていることを示唆している。グローバルサウス諸国による非米ドル決済網の構築は、この国際通貨の多極化に大きく寄与している。BRICS開発銀行(NDB)が地元通貨建て債券の発行を増加させていることも、ドル離れの動きを加速させる要因となっている。 これらの動きは、国際金融システムが単一の基軸通貨に依存する時代から、複数の主要通貨が共存する新たな時代へと移行しつつあることを明確に示している。

Reference / エビデンス