グローバルサウス:多極化する世界で自律性を追求する新興国の外交戦略

2026年3月25日、世界は米中対立や中東情勢の緊迫化といった複雑な国際情勢の只中にあり、グローバルサウスに属する主要新興国は、自国の利益を最大化し、政治的自律性を維持・強化するための多角的な外交戦略を積極的に展開している。BRICSの拡大に見られる新たな国際秩序の形成への動き、各国が個別に進める経済連携と安全保障の模索、そして国際機関における発言力の強化は、多極化する世界の新たな潮流を明確に示している。

BRICSの拡大と国際秩序への影響

BRICSは、2026年2月9日時点で11カ国に拡大し、さらに10カ国がパートナー国として名を連ねるなど、その影響力を急速に拡大している。この拡大により、BRICS同盟は2026年2月27日には世界のGDPの35%以上、世界人口の45%を代表するまでに経済的影響力を高めていると報じられた。

BRICSの拡大は、国際的な経済・政治秩序の多極化に大きく寄与している。特に「脱ドル化」の動きは注目されており、加盟国間での自国通貨建て貿易の推進や、新たな決済システムの構築が模索されている。しかし、この「脱ドル化」の道のりは平坦ではない。2025年7月28日のBRICSサミットでは、加盟国増加による一枚岩ではない状況や、「脱ドル」に対する意見の相違が示されており、その進展には課題も残されている。

また、2026年3月24日にはイラン情勢が世界経済に与える影響について言及されており、エネルギー市場の不安定化はBRICS諸国を含む新興国経済にも波及する可能性を秘めている。

主要新興国の多角外交戦略

グローバルサウスの主要新興国は、米中対立や中東情勢などの国際的な緊張の中で、自国の国益を追求するために多角的な外交を展開している。

インドネシアは、プラボウォ大統領が2026年3月30日に日本と226億ドル相当の投資契約を締結する予定であり、さらに2026年3月31日には高市総理とエネルギー安全保障における連携を確認する見込みだ。一方で、2026年2月19日には米国との間で不均衡な貿易協定に署名しており、主要国との間でバランスを取りながら経済的利益を確保しようとする姿勢がうかがえる。

ブラジルは、2026年3月25日に「日・メルコスール戦略的パートナーシップ枠組み」第2回会合を開催し、日本との経済連携を強化している。また、2026年1月6日には米中対立の狭間で中立性を維持しつつ、多極化する世界での外交的立ち位置を模索していると報じられた。

南アフリカは、2026年2月12日に米国のアフリカ成長機会法(AGOA)再開を歓迎しつつも、中国との経済連携を強化しており、主要大国との関係を巧みに使い分けている。2026年3月25日には閣議会合の結果をブリーフィングし、2026年3月24日にはアフリカ関連の重要ニュースが報じられるなど、国内の課題解決と国際社会での存在感向上を両立させようとしている。

国際機関とグローバルサウスの役割

グローバルサウス諸国は、国際機関においてもその発言力を強め、国際秩序の形成に積極的に関与しようとしている。

2026年3月25日、国連総会では奴隷貿易の歴史的過ちに対する賠償を求める決議が採択され、グローバルサウス諸国が歴史的正義の実現に向けて国際社会に働きかける姿勢が示された。同日開催された「Global Resilience Summit 2026」には国連機関も参加し、持続可能な社会の実現に向けた議論が交わされた。

2026年4月2日には、国連西アジア経済社会委員会(ESCWA)が中東情勢悪化によるアラブ地域の水と食料供給への影響を報告する予定であり、グローバルサウスが直面する具体的な課題解決に向けた国際協力の重要性が改めて浮き彫りになっている。

2026年3月23日に国際経済交流財団が開催した座談会では、グローバルサウス諸国が現行のルールベース国際秩序の改革を前提とした協力を志向していると指摘された。これは、既存の国際秩序に対する不満と、より公平で多極的な世界の実現への強い願望を反映している。日本貿易会は2026年3月25日にグローバルサウスとの連携強化を提言しており、自由民主党も2026年3月27日にグローバルサウス諸国との連携強化を重点政策としている。

主要国の国内政治と外交への影響

グローバルサウスの主要新興国における国内政治の動向は、その外交政策や政治的自律性に大きな影響を与えている。

ブラジルでは2026年10月に大統領選挙が予定されており、財政規律が政策の焦点となっている。国内の経済状況や国民の期待が、今後の外交政策の方向性を左右する可能性が高い。

インドネシアのプラボウォ大統領は、2026年3月25日にティモール・レステ大統領と会談し、地域内の協力関係を強化している。国内の安定と地域の平和が、インドネシアの外交の基盤となっている。

一方、日本周辺では緊張が高まっている。2026年3月25日、中国外交部は日本自衛隊員の中国大使館侵入事件について記者会見を行い、同日、木原官房長官も定例記者会見でこの事件に言及した。また、日本では2026年3月25日に平和憲法を守るための緊急アクションが行われ、2026年3月24日には防衛大臣が記者会見で中東情勢や自衛隊派遣の可能性について言及するなど、国内の安全保障に対する国民の関心が高まっている。これらの国内情勢は、各国の外交政策に慎重な姿勢を促す要因となっている。

Reference / エビデンス