グローバルサウス:多極化する世界秩序における多角外交と政治的自律性

2026年3月23日、国際社会は多極化の波に乗り、グローバルサウスと呼ばれる新興国群がその存在感をかつてないほど高めている。伝統的な国際構造に挑戦し、より均衡の取れた世界秩序を提唱する彼らの動きは、この数日間においても活発な外交情勢として顕在化している。特に、BRICSの拡大とデジタル主権の追求は、グローバルサウスが自らの利益と自律性を主張するための具体的な取り組みとして注目されている。

多極化する国際秩序とグローバルサウスの台頭

ウクライナ危機を契機に、グローバルサウスは国際社会における影響力を増し、その存在感を高めている。かつて投資のための概念と見なされていたBRICSは、今や国際政治における実態を備えつつある同盟へと進化を遂げた。2026年のBRICS拡大は、世界のGDPの35%、そして人口の45%を代表するブロックとなり、ドル離れのシフトを推進する可能性を秘めている。この拡大は、国際秩序の変化に大きな影響を与えると見られている。例えば、インドネシアは2025年1月にBRICSに加盟し、東南アジア初のメンバーとしてその存在感を示している。

来る3月26日にはグローバルサウス金融フォーラムが開催され、国際的なグリーン資本の流れを牽引するグローバルサウスの役割について議論が交わされる予定だ。これは、グローバルサウスが単なる経済成長の主体に留まらず、国際的な規範形成においても積極的な役割を果たす意思の表れと言えるだろう。

主要新興国の多角外交戦略

ブラジルやインドネシアといった主要なグローバルサウス諸国は、米国や中国といった大国との関係を均衡させつつ、多角的な外交戦略を展開している。ブラジルは、多極化する世界において米中対立の狭間で中立性を維持し、地域統合を推進する外交姿勢を明確にしている。2026年3月25日のブラジル関連ニュースでは、このようなブラジルの外交的自律性が改めて強調された。ブラジルはまた、インドネシアが正式にBRICS諸国に加盟したことを発表しており、グローバルサウス内の協力強化に積極的な姿勢を示している。

インドネシアもまた、外交政策において変化を見せている。2025年1月のBRICS加盟は、インドネシアが特定の陣営に偏ることなく、自国の利益を最大化するための多角的な外交を追求する姿勢の象徴と言える。これらの国々は、BRICSや地域ブロックといったグローバルサウス内の協力を強化することで、国際舞台における発言力と交渉力を高めようとしている。

政治的自律性とデジタル・経済主権の追求

グローバルサウスは、政治的・経済的自律性を高めるための具体的な取り組みを加速させている。2026年3月21日に発表されたトゥフ・ヌグラハ氏の論文「AI主権とグローバル・サウスの第三の道」では、「主権AI」とエネルギー回復力の概念が強調された。これは、デジタル技術の発展が国家の主権に与える影響を深く認識し、自国のデータとAIインフラを自律的に管理しようとするグローバルサウスの強い意志を示している。

また、サプライチェーンの多様化や単一の大国への依存度を減らす努力も、経済的自律性を追求する上で重要な要素となっている。中国は、2026年3月に決定された第15次5カ年計画において、技術的自立の重視を明確に打ち出しており、これはグローバルサウス全体の技術主権追求の動きと共鳴するものである。このような動きは、国際的なサプライチェーンの再編を促し、より分散的でレジリエントな経済構造の構築に貢献すると期待される。

西側諸国との関係再構築と協力の機会

グローバルサウスの台頭は、日本やフランスといった西側諸国に対し、関係再構築と協力の機会を模索するよう促している。経団連は2026年1月8日に「グローバルサウスとの連携強化に向けて」と題する提言を公表し、新たな協力関係の構築の必要性を訴えている。

2026年4月1日前後には、マクロン仏大統領が来日し、高市総理との会談で日仏のさらなる連携深化を確認し、共同声明に署名した。この会談では、重要鉱物やモビリティー、エネルギー、宇宙分野での協力強化が提唱されており、経済安全保障の観点からもグローバルサウスとの連携が不可欠であることが示された。

一方で、グローバルサウスの主張の高まりは、西側諸国との関係に新たな課題も提示している。例えば、2026年3月28日には南アフリカのG7招待が取り消されたというニュースが報じられた。これは、グローバルサウスが自らの外交的立場を堅持し、特定の国際枠組みに縛られない自律性を追求する姿勢の表れと解釈できる。西側諸国は、このようなグローバルサウスの動向を深く理解し、対等なパートナーシップに基づいた協力関係を構築していくことが求められている。

Reference / エビデンス