グローバルサウス、非米ドル決済網構築で「脱ドル化」を加速 — BRICSが新システム導入へ

2026年3月23日、世界経済は米ドル一極集中体制からの脱却を模索するグローバルサウス諸国の動きに注目している。特にBRICS諸国は、独自の非米ドル決済システムの具体化と通貨多極化を加速させており、その進展は国際金融秩序に大きな変革をもたらす可能性を秘めている。

BRICSによる非米ドル決済システムの具体化と「脱ドル化」の加速

BRICS諸国は、米ドルへの依存を減らし、自立的な経済圏を構築するため、非米ドル決済システムの導入を積極的に推進している。ブラジル247が2026年3月30日付で報じたところによると、BRICSは統一決済システム「Brics Pay」を2026年中に段階的に稼働させる目標を掲げている。さらに、2026年4月1日のnote記事では、「BRICS Pay」の本格始動に加え、金に裏打ちされた新通貨「Unit」の試験運用が言及されており、その動向が注目される。

この「脱ドル化」の動きは、具体的な貿易決済比率にも表れている。BRICS諸国間の貿易のほぼ半分がすでにドル以外の通貨で決済されており、特にロシアと中国間ではルーブルと元を使用した決済が大幅に増加している。また、ブラジルと中国間では、大豆取引において現地通貨であるレアルと人民元が使用されるなど、具体的な事例が積み重なっている。BRICS諸国は、米ドルの金融覇権に対抗し、自国の経済的自立性を高めることを目指している。

グローバルサウスにおける通貨多極化の議論と国際協力の動向

通貨多極化の動きは、国際会議の場でも活発に議論されている。2026年3月26日に開幕する「2026年グローバルサウス金融フォーラム」では、30以上の国・地域の政府関係者、銀行関係者、ビジネスリーダー、国際機関の代表が一堂に会し、より包摂的で持続可能な金融協力の強化に向けた連携を図る予定だ。特に、グリーン金融連携の深化を通じてウィン・ウィンの協力関係を築く機会が与えられているという見解が示されている。

世界経済フォーラムが2026年3月3日に発表した「4人の専門家が語る、通貨の未来像」に関するレポートも、この通貨多極化の議論に一石を投じている。レポートでは、グローバル経済が多国間体制から一極集中型へ移行し、AIが働き方を変革する中で、金融システムも大きな変革期を迎えているという専門家の見解が示された。この中で、金やデジタル通貨が安全な投資先として注目され、政府による「押収」がより困難であるという側面も指摘されている。

中東情勢と脱ドル化への影響、および日本の対応

中東情勢の緊迫化も、グローバルサウスの脱ドル化の動きに拍車をかけている。本日2026年3月23日、イランは発電施設への攻撃があった場合にホルムズ海峡を完全に封鎖すると脅し、イラン議会リバフ議長は原油を高騰させると発言した。国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長は、世界がここ数十年で最悪のエネルギー危機に直面する可能性があり、1970年代のオイルショック時よりも深刻になる可能性があると警告している。サウジアラビアは、原油1バレル=180ドルを超えるシナリオを想定しているとされる。

国連の報告によると、2月末以降の中東情勢悪化により、アラブ諸国は1カ月間で1,500億ドルの損失を被る可能性があり、これは地域全体のGDPの3.7%に相当する。このような状況下で、エネルギー安全保障と通貨多極化の関連性が一層強まっている。中東情勢の激化により原油価格は一時1バレル=100ドル超に急騰した。サウジアラビアのBRICS参加は、エネルギー(石油・ガス)と決済システムを結びつけ、石油購入にドル以外の選択肢を提示する動きとして注目されている。

日本政府もこの動きを注視しており、高市首相は「為替変動に強い経済構造をつくる」と発言し、国際情勢の変化に対応する姿勢を示している。グローバルサウスにおける非米ドル決済網の構築と通貨多極化の進展は、今後も世界経済の主要なテーマとして、その動向が注目される。

Reference / エビデンス