グローバルサウス:地域経済共同体の発展と貿易障壁の推移(2026年3月22日時点)

2026年3月22日、グローバルサウス諸国は、地域経済共同体の深化と貿易障壁の克服という二つの大きな潮流の中で、その経済的プレゼンスを一層高めつつあります。アフリカ、ASEAN、南米といった主要地域では、具体的な数値目標や会議の決定事項に基づき、統合への動きが加速する一方で、依然として残る貿易障壁への対応が喫緊の課題となっています。

アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)の進展と課題

アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)は、3兆4,000億ドル規模の巨大市場創出を目指し、その実現に向けた取り組みを活発化させています。2026年3月9日には、AfCFTA合同セミナーが開催され、域内貿易の活性化に向けた議論が交わされました。しかし、その道のりは平坦ではありません。東アフリカ共同体(EAC)では、非関税障壁が地域GDPの2〜3%の損失をもたらしていると指摘されており、こうした具体的な課題への対応が急務となっています。

来る3月23日から28日にかけては、アフリカ・カリブ海投資サミットが開催される予定であり、40兆ドル規模の市場開拓が目標として掲げられています。 このサミットは、アフリカとカリブ海諸国間の経済連携を強化し、新たな投資機会を創出する重要な場となるでしょう。

ASEANの経済戦略と地域統合の深化

東南アジア諸国連合(ASEAN)は、2026年の経済戦略を具体化し、地域統合の深化を図っています。2026年1月19日から25日にかけて開催された高級経済実務者会合(SEOM)では、以下の5つの戦略目標が策定されました。これらは2026年3月のASEAN経済大臣会合に提出される予定です。

具体的には、デジタル経済の推進、持続可能な開発目標(SDGs)への貢献、サプライチェーンの強靭化、中小企業の競争力強化、そして地域経済統合の深化が挙げられます。特に、ASEAN-インド物品貿易協定(AITIGA)の改定交渉は、現在44.8%の進捗率に達しており、2026年中の交渉妥結を目指し、地域内の貿易円滑化を一層推進する動きが加速しています。

グローバルサウスにおける貿易障壁の動向

グローバルサウスにおける貿易障壁は、依然として各国経済の発展を阻む要因となっています。来月上旬に公表される見込みの米通商代表部(USTR)の2026年外国貿易障壁報告書では、インドの農産物に対する最高300.0%に及ぶ高関税率や、インド標準局(BIS)による規制が輸出障壁として指摘される予定です。

また、タイに関しても、農業分野における輸入規制、知的財産権の保護、労働基準に関する問題が貿易障壁として挙げられています。 一方、欧州連合(EU)は、南米南部共同市場(メルコスール)との自由貿易協定(FTA)推進に強い意欲を示しており、特に自動車関税35%の撤廃など、経済的・地政学的な動機が背景にあります。 これらの動きは、グローバルサウスにおける貿易障壁の現状と、それを巡る国際的な交渉の複雑さを示しています。

グローバルサウスの金融協力とグリーン経済への移行

グローバルサウス諸国は、金融協力を通じた持続可能な開発とグリーン経済への移行にも注力しています。2026年3月26日に開催される「2026年グローバルサウス金融フォーラム」では、グリーン金融の推進と持続可能な開発への投資が主要な議論テーマとなる見込みです。

日本政府も「グローバルサウス未来志向型共創等事業」を通じて、これらの取り組みを支援しています。その一例として、大和ハウス工業は2026年2月27日にFS(フィージビリティスタディ)事業を開始し、ウクライナの復興支援プロジェクトに参画するなど、具体的な動きを見せています。 このような金融協力とグリーン経済への移行は、グローバルサウスが直面する環境問題と経済発展の両立を目指す上で不可欠な要素となっています。

Reference / エビデンス