グローバル:国際金融規制と中央銀行デジタル通貨の最新動向(2026年3月)

2026年3月は、国際的な金融規制と中央銀行デジタル通貨(CBDC)の分野で、重要な動きが集中した月となりました。米国におけるCBDC発行禁止法案の可決は世界のCBDC導入議論に大きな影響を与え、金融安定理事会(FSB)や国際決済銀行(BIS)からは最新の報告書や講演が予定されています。また、各国ではCBDCのパイロットプログラムが着実に進展しており、グローバルな金融システムは大きな転換期を迎えています。

米国におけるCBDC政策の転換と国際的な影響

米国上院は3月13日、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行を2030年まで禁止する法案を可決しました。この法案は、わずか6票の反対票で大差で可決され、米国のCBDCに対する慎重な姿勢が鮮明になっています。ドナルド・トランプ米大統領がCBDC導入を禁止する大統領令に署名する可能性も指摘されており、米国の動向が世界のCBDC導入議論に大きな影響を与え、国際的なCBDCの機運を減速させる可能性を秘めていると分析されています。

国際機関(FSB・BIS)による金融安定とデジタル通貨に関する最新報告

国際的な金融安定とデジタル通貨に関する議論も活発化しています。3月24日には、金融安定理事会(FSB)が「グローバルな金融安定の促進:年次報告書」を公表する予定であり、世界の金融システムの安定性に関する最新の評価と、新たなリスクへの対応策が示される見込みです。また、国際決済銀行(BIS)グローバル金融システム委員会(CGFS)は3月13日、「外貨調達リスクとクロスボーダー流動性」に関する報告書を公表しました。この報告書は、国際的な金融市場における外貨調達の脆弱性と、国境を越えた流動性供給の課題に焦点を当てています。さらに、BISのAlexandre Tombini氏は、3月24日に「Money, digital assets and payments in the Americas」と題する講演を行う予定であり、デジタル資産と決済に関する国際的な議論の方向性を示すものとして注目されます。

各国における中央銀行デジタル通貨(CBDC)の進展と多様なアプローチ

世界各国では、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の開発が多様なアプローチで進展しています。最新の調査結果によると、世界のGDPの98%を占める134カ国がCBDCを検討しており、そのうち25カ国以上が高度なパイロット段階にあることが明らかになっています。特にアジア諸国では具体的な進展が見られます。韓国では、3月に「プロジェクト・ハンガン」のフェーズ2が開始され、リテール型CBDCの実証実験が本格化しています。中国のデジタル人民元は、2026年1月に利息付与を開始し、世界初の利息付きCBDCとして注目を集めています。インドでは、CBDCを活用した公共配給システム(PDS)の導入が進められており、金融包摂の推進に貢献すると期待されています。一方、欧州中央銀行(ECB)は、デジタルユーロの発行を2029年までに目指しており、2026年には関連規制の採択が想定されています。

日本におけるデジタル通貨(CBDC・ステーブルコイン)の規制と実証実験

日本国内でもデジタル通貨に関する議論と実証実験が進められています。日本銀行は3月12日、「第10回中央銀行デジタル通貨に関する連絡協議会」を開催し、国内におけるCBDCの検討状況について議論しました。日本では、CBDCの導入については慎重な姿勢を維持しつつも、技術的な検証や制度設計に関する検討が進められています。ステーブルコインに関しては、2025年10月にJPYCが世界初の完全規制下にある円ペッグ型ステーブルコインとしてローンチされました。また、2026年6月までに施行される予定の支払サービス法改正案では、ステーブルコインの発行主体を銀行、資金移動業者、信託会社に厳格に限定する方針が示されており、日本のデジタル通貨規制は国際的にも先進的な取り組みとして注目されています。

Reference / エビデンス