2026年度税制改正法案、衆議院通過:資産課税・相続税制の主要変更点を速報

2026年度税制改正法案が衆議院を通過、資産課税・相続税制に主要な変更

2026年3月13日、「2026年度(令和8年度)税制改正法案」が衆議院を通過しました。この法案は、同年2月20日に閣議決定され、同日国会に提出されたものです。本法案は、所得税法、法人税法、相続税法、租税特別措置法など複数の国税に関する改正を一本にまとめたものであり、2025年12月19日に公表された「令和8年度税制改正大綱」に基づくものです。特に資産課税および相続税制においては、貸付用不動産や不動産小口化商品の評価方法見直し、教育資金一括贈与の非課税措置、事業承継税制の特例承継計画提出期限の延長、暗号資産の課税制度変更など、資産管理専門家が実務上で注目すべき複数の変更が含まれています。

貸付用不動産の評価方法見直し:「5年ルール」の導入

2026年度税制改正大綱では、貸付用不動産の相続税評価方法が見直される方針が示されました。この変更により、新たな「5年ルール」が導入されます。具体的には、相続開始または贈与前5年以内に取得または新築された一定の貸付用不動産について、課税時期における「通常の取引価額に相当する金額」で評価されるようになります。この改正は、市場価格と相続税評価額との乖離を利用した節税対策を是正し、より実態に即した課税を目指すものとされています。

不動産小口化商品の評価方法の適正化

不動産小口化商品の評価方法についても、2026年度税制改正大綱で見直しの方針が示されました。この方針に基づき、取得時期に関わらず、相続開始時または贈与時における「通常の取引価額に相当する金額」によって評価されるようになります。この改正は、不動産小口化商品を用いた過度な節税対策を是正し、課税の公平性を確保することを目的としています。

教育資金一括贈与の非課税措置、2026年3月末で期限到来

直系尊属からの教育資金一括贈与に係る贈与税の非課税措置は、現行で2026年3月31日を適用期限としています。2026年度税制改正大綱において、この措置が延長されないことが決定されました。そのため、資産管理専門家は、顧客へのアドバイスを行う際に、当該期限が到来する点に留意する必要があり、また、期限までに拠出された金銭等については引き続き非課税措置が適用されることを確認することが重要です。

事業承継税制の特例承継計画提出期限の延長が決定

2026年度税制改正大綱では、事業承継税制における特例承継計画の提出期限の延長が決定されました。具体的には、法人版事業承継税制(特例)における特例承継計画の提出期限は1年6ヶ月延長され、2027年9月末までとする方針が示されています。同様に、個人版事業承継税制における個人事業承継計画の提出期限も2年6ヶ月延長され、2028年9月末までとする方針が示されました。

暗号資産の分離課税化と損失繰越制度の導入方針

2026年度税制改正大綱において、暗号資産(仮想通貨)の課税制度が大きく変更される方針が示されました。具体的には、特定の暗号資産の現物取引、デリバティブ取引、およびETFから生じる所得について、他の所得と分離して一律20.315%(所得税15%、個人住民税5%、復興特別所得税を含む)の税率で課税される方針です。加えて、3年間の損失繰越控除制度が創設される方針も含まれています。この見直しは、現行の総合課税(最大55%)と比較して大幅な変更であり、多様な金融商品に投資しやすい環境を整備する狙いがあるとされています。

Reference / エビデンス

  • 2026年(令和8年)度税制改正法、3月31日に成立 | 税理士法人山田&パートナーズ 2026年(令和8年)度税制改正法は、2月20日に閣議決定後、同日国会に提出され、3月13日に衆議院を通過し、3月31日に参院本会議で可決・成立しました。この法案には、所得税法、法人税法、相続税法、租税特別措置法など国税の改正が一本にまとめられています。
  • 令和8年度(2026年)の税制改正ポイントを解説 - OBC 2025年12月19日に「令和8年度税制改正大綱」が公表され、所得税の基礎控除引き上げ、生産性向上のための投資促進税制創設、中小企業支援、防衛力強化の財源確保などが盛り込まれています。また、特定暗号資産の分離課税導入も含まれ、税率20%の申告分離課税が適用され、損益通算や3年間の損失繰越控除が可能となります。
  • 【速報】令和8年度(2026年)税制改正大綱(相続税・贈与税) | 大阪の相続税税理士 令和8年度税制改正大綱では、不動産小口化商品の評価方法が見直され、取得時期に関わらず相続開始時または贈与時における通常の取引価額に相当する金額で評価されることになりました。これは、市場価格と相続税評価額の乖離を利用した節税効果を是正するもので、令和9年1月1日以後の相続税から適用されます。また、教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置は、令和8年3月31日で終了し、延長されないことになりました。
  • 2026年度税制改正大綱 資産税関連の主な改正点 - PwC 2025年12月19日に公表された2026年度税制改正大綱では、貸付用不動産の評価方法が見直され、課税時期前5年以内に取得または新築された一定の貸付用不動産は、課税時期における通常の取引価格に相当する金額で評価されます。また、教育資金一括贈与の非課税措置は2026年3月末で終了し、事業承継税制の特例承継計画の提出期限は2027年9月末まで延長されます。暗号資産取引については、金融商品取引法の施行の翌年1月1日以後に行う特定暗号資産の譲渡等から20%の分離課税が適用され、3年間の損失繰越控除制度も創設されます。
  • 2026年度税制改正で相続税評価額がまた見直し、どうなる相続対策?|BIZ Livnessコラム 2025年12月19日に公表された令和8年度税制改正大綱では、貸付用不動産の評価方法に「5年ルール」が導入され、相続時の5年前までに購入した不動産は取得時の価額の80%で評価されることになります。これは、不動産投資家にとって大きな影響を与える変更です。
  • 【2026年 相続税が変わる】「51%減」の節税対策が崩壊? 家族に重税を遺さないための「5年ルール」回避戦略 - ダイヤモンド・オンライン 2027年1月以降の相続から、貸付用不動産の評価方法が見直され、建物評価が従来の固定資産税評価額ではなく、実勢価格に近い「取得価格の80%」で計算されるようになります。これにより、従来の節税効果が大幅に減少する可能性があります。
  • 速報 2026年度(令和8年度)税制改正解説 - 税理士法人山田&パートナーズ 2025年12月19日に公表された令和8年度税制改正大綱では、貸付用不動産および不動産小口化商品の評価方法の見直し、事業承継税制の特例承継計画等の提出期限の延長、暗号資産の分離課税化などが盛り込まれています。
  • 相続税税制改正2026の要点|贈与税も税理士が解説 2026年度改正(資産課税)では、教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の適用期限(令和8年3月31日)が延長されず終了します。一方で、事業承継税制(納税猶予)については、個人事業承継計画の提出期限が2年6ヶ月延長され、非上場株式等に係る特例承継計画の提出期限が1年6ヶ月延長されます。
  • 【2026年度税制改正大綱】相続税・贈与税に関する改正項目と今後の影響について 2025年12月19日に公表され、12月26日に閣議決定された2026年度税制改正大綱では、貸付用不動産の評価方法の見直しが盛り込まれ、取得後5年以内の評価が引き上げられます。これは、評価額の乖離を利用した節税対策への対応を目的としています。
  • 資産税等に関する令和8年度税制改正について | デロイト トーマツ グループ - Deloitte 父母・祖父母等の直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置は、2026年3月31日までとされている信託等可能期間が延長されずに終了します。
  • 2026年度(令和8年度)税制改正を解説 - 青山財産ネットワークス 2025年12月19日に公表された「令和8年度税制改正大綱」では、物価高への対応や「強い経済」の実現に向けた投資促進策に加え、ミニマムタックス課税の強化や貸付用不動産の評価方法の見直しなど、事業オーナーや資産家層に影響の大きい改正項目が含まれています。また、NISAの拡充や暗号資産の分離課税化も盛り込まれています。
  • 暗号資産の儲けに対する税金が最大55%から20.315%に!2026年度税制改正大綱で示された分離課税方針を解説 | MONEYIZM - 税理士紹介センタービスカス 2026年度税制改正大綱では、暗号資産取引で生じた利益を「申告分離課税」へ移行する方針が示され、一律20.315%の税率が適用される見込みです。これは、現行の総合課税(最大55%)と比較して大幅な変更であり、3年間の損失繰越控除制度も導入されます。適用開始時期は、金融商品取引法等の改正が前提で、早ければ2028年1月1日以降とされています。
  • 金融庁、2026年に暗号資産税率を20%に引き下げへ - BeInCrypto Japan 日本は、暗号資産への税率を最大55%から一律20%に引き下げ、株式課税と一致させる方針です。この改革は、暗号資産を金融商品として分類し、より強力な開示およびインサイダー取引規則の下に置くことを含みます。
  • 令和8年度税制改正の大綱の概要 - 財務省 2025年12月26日に閣議決定された令和8年度税制改正大綱では、物価高への対応として基礎控除等を引き上げる仕組みの創設、所得税の課税最低限を178万円まで特例的に先取りして引き上げることなどが盛り込まれています。また、防衛特別所得税(仮称)の創設も行われます。
  • 【2026年1月最新】仮想通貨の分離課税、令和8年度与党税制改正大綱でどう変わるか|注目点を解説 - cryptact 令和8年度与党税制改正大綱では、暗号資産の課税を大きく見直し、一定の暗号資産・取引について申告分離課税(税率20%)へ移行し、3年間の損失繰越控除を創設する方向性が示されました。これは、金融商品取引法(金商法)による投資家保護や不公正取引の防止といった業規制の高度化が前提とされています。適用時期は改正金商法の施行と業界の整備次第で、早ければ2028年以降が想定されます。
  • 暗号資産取引に20%の申告分離課税導入へ 2026年02月06日 | 大和総研 | 平石 隆太 自由民主党・日本維新の会が決定した「令和8年度税制改正大綱」では、暗号資産取引に係る課税の見直しが示され、上場株式等と同等の税制とすることで、多様な金融商品に投資しやすい環境を整備する狙いがあります。特定暗号資産の現物・投資信託・デリバティブの取引で生じた利益には、20%の申告分離課税が適用され、3年間の繰越控除や損益通算が認められます。施行時期は2028年が予想されています。
  • 2026年度税制改正大綱【令和8年度】|相続税・贈与税の解説 令和7年12月19日に発表された令和8年度税制改正大綱では、貸付用不動産および不動産小口化商品について、市場価格と相続税評価額の乖離の実態を踏まえ、評価方法が変更されます。また、教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置は延長されずに終了することとなりました。個人の事業用資産に係る相続税・贈与税の納税猶予制度および非上場株式に係る相続税・贈与税の納税猶予の特例制度の提出期限は延長されます。
  • 「強い経済」への決断と実行令和8年度与党税制改正大綱を決定 | 政策 - 自由民主党 自民・日本維新の会の両党は2025年12月19日、令和8年度与党税制改正大綱を決定しました。この大綱では、物価高への対応として基礎控除等を引き上げる仕組みの創設や、賃上げ促進税制の見直しなどが盛り込まれています。また、防衛力強化に向けた財源確保策として、令和9年1月から所得税に税率1%の新たな付加税を課すことが決定されました。
  • 2026年度税制改正の大綱 速報 - PwC 2025年12月19日に公表された2026年度税制改正大綱では、物価高への対応として基礎控除等の引き上げ、新たな設備投資促進税制の創設、研究開発税制の拡充などが盛り込まれています。また、高所得者への所得税負担の適正化や、相続等における不動産評価の見直しも行われます。
  • 最大約55%から一律20.315%へ 2026年度税制改正大綱で暗号資産の課税はどう変わるか 2025年12月26日に閣議決定された2026年度税制改正大綱により、暗号資産取引で得た利益は「申告分離課税」に移行し、一律20.315%の税率が適用される見通しです。これにより、従来の最大約55%の税率が大幅に引き下げられ、日本のWeb3産業の競争力強化が期待されています。改正法案は2026年1月に開会する通常国会に提出され、早ければ2028年には施行されるとみられています。