2026年3月 国際金融市場の焦点:米上院CBDC禁止法案とFSB決済サミットが示す動向

米国における中央銀行デジタル通貨(CBDC)発行禁止法案の可決とその影響

2026年3月13日、米国上院は中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行を2030年末まで禁止する法案を可決しました。この法案は、連邦準備制度(FRB)によるリテールCBDCの直接発行に加え、金融機関や仲介業者を通じた間接発行も2030年12月31日まで禁じる条項を含んでいます。 採決は賛成84票、反対6票(別報道では賛成89票、反対10票)という圧倒的な超党派の賛成多数で行われ、デジタルドルの導入に対する議会内の強い慎重姿勢が鮮明になりました。この禁止条項は、住宅および銀行関連の包括的法案「H.R. 6644」または「21st Century ROAD to Housing Act」の一部として承認されました。 議会がこのような姿勢を示した背景には、政府主導のデジタル通貨がもたらす監視社会への懸念やプライバシー問題への対応があります。この法的制限により、FRBのデジタルドル発行計画は少なくとも2030年まで大きく制約される見通しです。

金融安定理事会(FSB)決済サミットとクロスボーダー決済の進展

2026年3月12日には、金融安定理事会(FSB)決済サミットが開催されました。このサミットは、G20が推進するクロスボーダー決済改善ロードマップの進捗評価を行うための重要なイベントであり、2027年以降の優先事項に関する提言策定に向けた議論の起点となりました。 G20のロードマップは、国際決済におけるコスト、スピード、透明性、アクセスの改善を主要な目標として掲げています。FSBは、国際的な金融安定性を維持する観点から、デジタルイノベーションや人工知能(AI)技術の進展を監視し、これに伴う規制の近代化を進める役割を担っており、今回のサミットはその文脈において大きな意義を持ちます。

Reference / エビデンス