2026年4月27日週:資源・重要鉱物スポット価格を急変させた物理的事件の分析

ホルムズ海峡の混乱が原油・LNGスポット価格に与えた急激な影響

2026年4月27日の週、世界の資源・重要鉱物市場は、ホルムズ海峡における地政学的緊張とそれに伴う物理的な供給網の混乱により、かつてない急激な価格変動に見舞われました。特に、世界の石油輸送量の約20%、液化天然ガス(LNG)取引の約19~25%が通過するこの戦略的要衝での事態は、原油およびLNGのスポット価格を歴史的な水準まで押し上げました。

この混乱の引き金となったのは、4月23日に米軍がイラン産原油の密輸に関与した疑いのある石油タンカー「マジェスティックX」を拿捕したこと、そしてこれに先立つイラン革命防衛隊によるホルムズ海峡でのコンテナ船拿捕や船舶への発砲といった一連の行動です。 4月18日には、イランが一時的な開放を発表したわずか1日後にホルムズ海峡の再封鎖を宣言し、事態はさらに緊迫化しました。 米国も4月20日にはイランの全港湾を封鎖すると発表し、供給途絶への懸念が世界的に高まりました。

原油市場では、ブレント原油価格が顕著な上昇を見せました。4月25日までの1週間で、ブレント原油は約16%急騰して取引を終えました。 4月23日には、ブレント原油先物価格が1バレルあたり105.07ドルで清算され、前日比3.1%の上昇を記録しました。 また、4月22日にはブレント原油が1バレル100ドルを突破し、3.43%上昇して101.91ドルとなりました。 4月19日時点では、北海ブレント原油先物価格は前日終値比5.86%高の1バレル95.86ドルを付けていました。 2月28日の紛争勃発前と比較すると、ブレント原油は1バレル100ドルを超え、35%上昇しています。 米エネルギー情報局(EIA)は、2026年第2四半期にブレント原油価格が平均115ドルでピークを迎えるとの予測を示しています。

液化天然ガス(LNG)市場も同様に大きな影響を受けました。アジアのLNGスポット価格は、2月27日週の100万BTUあたり10.40ドルから3月20日週には25.30ドルまで急騰し、4月17日週には16.05ドルに低下したものの、依然として紛争前より54%高い水準を維持しています。 別の報道では、2月後半の紛争勃発以来、アジアのLNG先渡価格は約90%上昇したとされています。 欧州市場では、4月20日のアジア市場早朝に、イランによるホルムズ海峡の再封鎖を受けて欧州天然ガス先物(オランダTTF)が7%以上急騰し、1メガワット時あたり41.7ユーロに迫る勢いを見せました。 3月2日には、カタールのLNG生産施設へのドローン攻撃を受け、欧州天然ガス先物(オランダTTF)の4月渡しが前週末比で約35%高の1メガワット時あたり43.3ユーロで取引を終えるなど、供給懸念が広がっていました。 カタールの生産停止とホルムズ海峡の事実上の封鎖により、アジア向けLNGスポット価格はわずか10日間で2倍以上に跳ね上がり、2月27日の11.06ドルから3月3日には25.39ドルを記録し、3月9日時点でも24.80ドルと高値圏で推移しました。 この紛争により、1ヶ月以上にわたりホルムズ海峡を通るLNGの出荷が停止され、世界のLNG供給の約20%が混乱しています。

Reference / エビデンス