海外の環境・倫理規律強化が日本製品輸出に与える直近の影響:2026年4月25日前後の動向

2026年4月25日、世界貿易における環境および倫理に関する規制強化の波が、日本の輸出製品に具体的な影響を及ぼし始めています。特に、米国による強制労働に関する調査開始と日本の法整備の遅れ、そしてEUの企業持続可能性デューデリジェンス指令(CSDDD)の適用動向は、日本企業にとって輸出停止や取引条件変更に直結する喫緊の課題として浮上しています。

米国による強制労働産品輸入禁止の欠如指摘と301条調査の開始

米国通商代表部(USTR)は、2026年3月31日に公表した2026年版「外国貿易障壁報告書」において、日本が強制労働によって生産された製品の輸入を禁止する法制度を欠いていると指摘しました。この報告書は、米国や他の主要貿易相手国が既に同様の法律を制定している中で、日本の対応の遅れを浮き彫りにしています。

さらに、USTRは2026年3月12日、日本を含む60カ国を対象に、通商法301条に基づく強制労働に関する調査を開始しました。この調査は、対象国のサプライチェーンにおける強制労働対策の有効性を評価することを目的としています。調査の結果次第では、強制労働に関与した製品に対する輸入禁止措置や追加関税が課される可能性があり、日本の輸出製品に深刻な影響を与える恐れがあります。特に、日本の企業は、自社のサプライチェーンが間接的にでも強制労働に関与していないか、早急な確認と対策が求められています。

EU企業持続可能性デューデリジェンス指令(CSDDD)の適用動向と日本企業への影響

欧州連合(EU)では、2024年7月に企業持続可能性デューデリジェンス指令(CSDDD)が発効し、2026年3月には簡素化されたオムニバス指令が発効しました。この指令は、EU域内で一定の売上高を持つ企業に対し、自社およびサプライチェーン全体における人権侵害や環境への悪影響を特定し、防止・軽減・是正するためのデューデリジェンス義務を課すものです。

具体的には、EU域内で事業を展開する、または一定の売上高基準を満たす日本企業もCSDDDの適用対象となります。企業は、強制労働、児童労働、不適切な労働条件、環境破壊といったリスクをサプライチェーン全体で管理するためのデューデリジェンス方針を策定し、リスク管理システムに統合することが求められます。

CSDDDの不遵守は、高額な罰金や、EU域内での事業活動や取引の停止といった厳しい制裁につながる可能性があります。このため、日本企業は、サプライチェーン全体における人権・環境リスク管理体制を早急に見直し、指令の段階的な適用開始に間に合うよう、徹底した対応が不可欠となっています。

Reference / エビデンス