日本における小型モジュール炉(SMR)研究の国内現状:2026年4月23日

2026年4月23日現在、日本は脱炭素化とエネルギー安全保障の実現に向け、小型モジュール炉(SMR)の研究開発と導入推進に注力しています。政府はSMRを次世代革新炉の中核と位置づけ、具体的なロードマップと資金支援策を打ち出し、国内企業も国際的な連携を深めながら技術開発を加速させています。本稿では、日本におけるSMRの最新動向、政府の戦略、企業の取り組み、そして今後の展望を詳述します。

日本政府のSMR推進戦略とロードマップ

日本政府は、第7次エネルギー基本計画に基づき、SMRを含む次世代革新炉の開発・導入を強力に推進しています。特に注目されるのは、2026年2月に経済産業省が公表した「次世代革新炉開発ロードマップ(案)」です。このロードマップでは、SMRの運転開始目標を2040年以降と設定しており、長期的な視点での導入計画が示されています。

政府は、SMR開発を支援するため、GX(グリーントランスフォーメーション)経済移行債を活用した資金支援や制度整備を進めています。これは、脱炭素化目標の達成と、地政学リスクの高まりを背景としたエネルギー安全保障の強化という二つの観点から、SMRが極めて重要な役割を担うとの認識に基づいています。SMRは、その安全性、経済性、柔軟な設置性から、既存の原子力発電所に代わる新たな選択肢として期待されています。

国内企業によるSMR技術開発と海外連携

2026年4月23日時点において、日本の重工メーカーや素材・部品サプライヤーは、SMR市場への参入が強く推奨されています。国内のSMR開発を牽引するのは、三菱重工と日立GEニュークリア・エナジーの二大潮流です。

特に日立GEニュークリア・エナジーは、海外での具体的な動きを活発化させています。同社は、カナダのBWRX-300プロジェクトにおいて、2025年4月に建設ライセンスを取得するなど、着実に実績を積み重ねています。また、国際的な連携も活発化しており、2026年2月には横河電機が英国のロールス・ロイスSMR社とデータ処理・制御システムの供給契約を締結したことが報じられました。このような海外プロジェクトへの参画は、日本のSMR技術の国際競争力強化に貢献するとともに、将来的な国内導入に向けた知見の蓄積にも繋がると期待されています。

SMR導入に向けた課題と展望

2026年4月23日現在、日本国内におけるSMRの建設はまだ構想段階にあり、政府の政策・制度整備と要素技術開発、そして海外案件への参画が中心となっています。海外では2025年以降、SMRの建設プロジェクトが加速しているのに対し、日本は2040年以降の運転開始を目指すロードマップが示されており、導入時期には一定のギャップが見られます。

しかし、AI需要の急増による電力消費の増加や、石炭火力発電からの転換といった背景から、SMRへの期待は高まる一方です。SMRは、再生可能エネルギーとの組み合わせや、水素製造、地域熱供給など、多様な用途での活用が検討されており、電力系統の安定化や脱炭素化に大きく貢献する可能性を秘めています。今後、国内での具体的な導入に向けた政策的支援の強化、技術開発の加速、そして国民理解の醸成が、SMRの本格的な普及に向けた鍵となるでしょう。

Reference / エビデンス