日本の経済安全保障と半導体供給網の防衛戦略:2026年4月の最新動向

2026年4月22日、日本は経済安全保障の要諦として、半導体供給網の強靭化に向けた国家戦略を加速させている。特に今月は、次世代半導体開発を担うRapidusへの追加支援、世界的な半導体メーカーであるTSMCの国内投資の進展、経済安全保障推進法の運用・改正動向、そして国際連携の強化など、多岐にわたる具体的な動きが活発化しており、その全体像が明確になりつつある。

半導体戦略の強化と経済安全保障推進法の役割

日本政府は、2026年4月15日に発表された経済安全保障における半導体供給網の防衛戦略の最新動向に基づき、半導体を「特定重要物資」と位置づけ、供給途絶リスクの低減に向けた取り組みを加速している。その中核をなすのが経済安全保障推進法である。2026年3月19日には、同法の改正案が閣議決定され、サプライチェーン強靭化に向けた法的な枠組みがさらに強化された。これを受け、2026年4月7日からは第5回供給確保計画の申請受付が開始されており、企業の取り組みを後押しする体制が整えられている。具体的な動きとして、経済産業省は2026年4月16日、ソニーセミコンダクタマニュファクチャリングのイメージセンサーに係る供給確保計画を認定し、最大600億円の助成を行うことを発表した。これは、国内における重要半導体の安定供給確保に向けた政府の強い意志を示すものと言える。

Rapidusを中心とした国内製造基盤の強化と先端技術開発

次世代半導体の国産化を目指すRapidusへの政府支援は、日本の半導体戦略の最重要課題の一つである。2026年4月11日には、政府からRapidusに対し6,315億円の追加支援が発表され、これにより政府によるRapidusへのR&D支援累計額は2兆3,540億円に達した。 Rapidusは2027年の2nm半導体量産を目指しており、その目標達成に向けた開発が着実に進んでいる。2026年4月21日には、新たな封装(パッケージング)生産ラインの試運転を開始した。 さらに、Rapidusは2026年内に1.4nmプロセスの研究開発を本格的に開始する計画であり、世界最先端の半導体技術開発競争において日本の存在感を高めることが期待されている。

TSMCの日本国内投資とサプライチェーンの多角化

世界最大のファウンドリであるTSMCの日本国内への投資も、半導体供給網の多角化と強靭化に大きく貢献している。TSMCは2026年の設備投資費が約560億米ドルに達する予定であり、その一部は日本国内の拠点にも投じられる。 熊本県に建設中のTSMC熊本第2工場(JASM)では、3nmプロセスを導入し、2028年の量産開始を目指している。 熊本第2工場は2026年4月20日時点で既に建設が開始されており、約1,700人の雇用創出が見込まれている。 また、前述の通り、経済産業省は2026年4月16日にソニーセミコンダクタマニュファクチャリングのイメージセンサーに係る供給確保計画を認定し、最大600億円の助成を行うことを発表しており、これはTSMCの進出と相まって、国内半導体サプライチェーン全体の強化に繋がるものと期待される。

国際連携とデュアルユース技術の推進

日本は半導体供給網防衛において、国際連携の強化を不可欠な要素と位置づけている。その象徴的な動きとして、2026年4月21日には日米企業による次世代半導体パッケージ開発コンソーシアム「US-JOINT」が本格稼働を開始した。 これは、日米両国の技術力を結集し、先端半導体技術の開発を加速させることを目的としている。また、2026年4月17日には、日EU防衛産業対話の初会合が開催され、防衛装備品のサプライチェーン強化に関する共同声明が発表された。 この対話では、半導体を含むデュアルユース技術の重要性が強調されており、経済安全保障と防衛協力が密接に連携する時代の到来を示唆している。 日本は、同盟国や友好国との連携を深めることで、半導体供給網の安定性と信頼性を確保し、国際社会における責任を果たす姿勢を明確にしている。

Reference / エビデンス