日本、外貨準備高は1兆3747億ドルに減少 為替介入の動向に市場の警戒感高まる
2026年4月20日、日本の外貨準備高と為替介入を巡る動向が市場の注目を集めている。財務省が4月7日に発表した2026年3月末時点の日本の外貨準備高は1兆3747億3100万ドルとなり、前月末から359億6800万ドル減少した。これは2025年12月以来の低水準となる。
直近数ヶ月の動きを見ると、2026年2月末には1兆4107億ドル(約1.41兆ドル)に達し、2021年12月以来の最高水準を記録していたが、3月に入り減少に転じた形だ。 1月には249億8000万ドル増加し、1兆3900億ドル(約1.39兆ドル)と2022年1月以来の高水準となっていた。
日本の外貨準備高の現状と構成
2026年3月末時点の日本の外貨準備高は、1兆3747億3100万ドルであった。その内訳は、外貨資産が1兆1618億1600万ドルで、このうち証券が1兆8700万ドル、預金が1617億2900万ドルを占める。 その他、IMFリザーブポジションが111億3700万ドル、SDR(特別引出権)が604億4700万ドル、金が1253億4300万ドル(重量27.20百万トロイオンス)、その他外貨準備が159億8800万ドルとなっている。
外貨準備高とは、通貨当局(日本では中央銀行である日本銀行)が保有・管理する外国資産のことであり、国際収支の安定や為替介入の資金として活用される。 これらの準備資産は、流動性の高い外貨資産(現預金、債券など)で構成されている。
為替介入の意思決定と資金調達メカニズム
為替介入は、財務大臣の権限において実施され、日本銀行がその代理人として実務を遂行する制度的枠組みとなっている。 介入の目的は、為替相場の急激な変動を抑え、その安定化を図ることにある。
為替介入の原資となるのは、財務省が所管する「外国為替資金特別会計(外為特会)」の資金である。 外為特会は、外国為替相場の安定、特に為替相場の急激な変動の際の為替介入のために設けられている特別な会計だ。
円高を抑制するための「円売り・ドル買い介入」を行う場合、財務省は市場で政府短期証券(FB)を発行して円資金を調達する。 その後、日本銀行が調達した円を市場で売却し、ドルを買い入れることで介入が実施される。 買い入れられたドルは外為特会の資産となり、主に米国債などで運用される。 円資金は国内で調達できるため、この形式の介入は大規模に実施しやすいという特徴がある。
一方、円安を抑制するための「ドル売り・円買い介入」では、外為特会が保有するドル資金が原資となる。 具体的には、外貨準備として保有している米国債などの有価証券を売却してドル資金を確保し、そのドルを市場で売却して円を買い入れる。 2024年の介入事例では、米国債の売却が介入の原資となったとみられている。
2026年4月における為替介入を巡る動向と市場の反応
2026年4月に入り、外国為替市場では円安が再び進行し、ドル円レートが160円台に接近する中で、為替介入への警戒感が一段と高まっている。 2026年4月17日時点では、ドル円は157円から160円台を中心としたレンジ相場が継続する可能性が高いと見られているが、160円に接近する局面では介入への警戒から円売りが手控えられる構図が続いている。
財務大臣は、為替介入について「フリーハンドだ」と市場を牽制する発言を繰り返しており、投機的な動きに対しては対応を取る姿勢を示している。 野村證券のチーフ為替ストラテジストである後藤祐二朗氏は、米ドル円相場が160円台を突破する可能性も指摘しており、債券市場の不安定化と介入リスクに注目している。 実際、2026年1月の日銀会合後の円安加速局面では、ニューヨーク連邦準備銀行が為替介入の前段階とされるレートチェックを行ったことが報じられている。
過去の介入事例を見ると、2024年4月29日にはドル円が一時160円17銭水準をつけた後、急速にドル安・円高方向へ進む動きが見られた。 財務省は同年5月31日、4月26日から5月29日までの期間に9兆7885億円の外国為替平衡操作を実施したことを明らかにしている。 このため、市場では160円が介入警戒水準として強く意識されているが、為替介入の判断基準は特定の為替レート水準ではなく、為替レートの変動率(ボラティリティ)がより重要であるとの見方も示されている。
2026年3月27日には、ニューヨーク外為市場中盤の取引でドルが対円で一段高となり、2024年7月以来初めて160円台に乗せる場面もあった。 市場は、日銀の金融政策決定会合や、中東情勢の動向、原油価格の推移など、円安に影響を与える複数の要因に神経を尖らせており、政府・日銀による為替介入の可能性を注視している。
Reference / エビデンス
- 日本の外貨準備
- 日本の外貨準備高が約4年ぶりの高水準に達する
- 日本の外貨準備高、3か月ぶりの低水準
- 外貨準備等の状況(令和8年1月末現在) - 財務省
- 外貨準備等の状況(令和7年12月末現在) - 財務省
- 為替介入(外国為替市場介入)とは何ですか? 誰が為替介入の実施を決定し - 日本銀行
- 日本の外貨準備の政策分析* - JICA
- 歴代財務官別にみる為替介入の有効性と政策運営の差異 - 神戸大学経済学部
- 1ドル=160円台再接近で注目の【介入】とは何か?仕組みと外為特会の実像、過去の相場との攻防を総点検! - ダイヤモンド・オンライン
- 為替介入と外貨準備 - 商学部
- 日銀4月会合 利上げの“サイン”はあるのか? 日銀短観と支店長会議報告から 野村證券・岩下真理
- 2026年末の米ドル円相場見通しを円安方向に修正 消費税減税を巡る議論が焦点 野村證券・後藤祐二朗 | NOMURA ウェルスタイル
- 1ドル=160円台再接近で注目の【介入】とは何か?仕組みと外為特会の実像、過去の相場との攻防を総点検! - ダイヤモンド・オンライン
- 【為替】円安反転の分岐点になってきた120日MA - マネクリ
- FX Monthly(2026年4月) - 三菱UFJ銀行