日本:法人税・所得税の推移と財政収支への影響(2026年4月20日時点)

2026年4月20日、日本経済は法人税および所得税の新たな局面を迎えています。2026年度税制改正は、防衛力強化のための財源確保と経済成長の促進という二つの大きな目標を掲げ、法人税・所得税の双方にわたる重要な変更が施行されつつあります。これらの改正は、企業の投資行動や個人の家計に直接的な影響を与えるだけでなく、国の財政収支にも大きな変化をもたらす見込みです。

2026年度法人税の主な改正点と推移

2026年度の法人税制は、防衛力強化のための財源確保を目的とした付加税率の導入が最大の焦点となっています。具体的には、2026年4月1日以降に開始する事業年度から、法人税額に対して4.0%の付加税率が課されることになります。ただし、課税標準となる法人税額が1,000万円以下の法人については課税されない措置が講じられています。これにより、大企業を中心に実質的な法人税負担が増加し、日本の法人実効税率は約29.74%から上昇する見込みです。

一方で、政府は企業の成長を促すための税制優遇措置も継続・見直しを進めています。設備投資促進税制は、企業の生産性向上やデジタル化を後押しするため、特定の設備投資に対する税額控除や特別償却が適用されます。また、賃上げ促進税制も引き続き重要な位置を占めており、従業員の給与を引き上げた企業に対して税額控除を適用することで、持続的な賃上げを促す狙いがあります。中小法人に対しては、所得800万円以下の部分に対する法人税率が15%に軽減される措置が継続されており、今回の防衛力強化に係る付加税率の対象外となることで、中小企業の負担増を一定程度抑制する配慮がなされています。

これらの改正は、企業の投資判断や雇用戦略に影響を与え、日本経済全体の活性化に寄与することが期待されています。特に、防衛力強化のための付加税は、2026年度から10年間で約1兆円の財源を確保する計画の一環であり、その動向が注目されます。

2026年度所得税の主な改正点と推移

2026年度の所得税制においても、複数の重要な改正が施行されます。最も注目されるのは、課税最低限の引き上げに関する議論です。政府・与党は、所得税の課税最低限を現在の160万円から168万円に引き上げる方針を検討しています。これにより、特に低所得者層の税負担が軽減されることが期待されます。一部では178万円への引き上げも議論されていますが、現時点では168万円が有力視されています。

また、基礎控除や給与所得控除の見直しも行われます。これらの控除額の調整は、個人の所得に応じた税負担の公平性を確保し、家計の状況に合わせた税制の実現を目指すものです。防衛力強化に係る所得税増税については、2026年度以降の開始が予定されており、所得税額に対して1%の付加税が課される見込みです。ただし、その具体的な開始時期や税率調整については、今後の経済状況や財政状況を見極めながら慎重に決定されることになります。

さらに、従業員への食事補助に関する非課税限度額も引き上げられます。2026年4月1日からは、企業が従業員に提供する食事補助の非課税限度額が、月額3,500円から4,000円に増額されます。これは、物価上昇による家計負担の増加を考慮し、従業員の福利厚生を支援するための措置です。

財政収支への影響と税収見込み

2026年度の日本の財政収支は、法人税・所得税の改正と経済状況の改善により、重要な転換点を迎える見込みです。政府は、2026年度の一般会計予算案において、歳出総額を約112兆円と見込んでいます。そして、税収総額は過去最高を更新し、80兆円台に達するとの見通しが示されています。

この税収増の背景には、物価高騰と企業収益の改善が大きく寄与しています。企業業績の好調は法人税収の増加に直結し、また、物価上昇は消費税収の増加にも繋がります。これらの要因が相まって、2026年度には基礎的財政収支(プライマリーバランス)が28年ぶりに黒字化する見通しが示されています。これは、政府が掲げる財政健全化目標の達成に向けた大きな一歩となります。

法人税・所得税の改正は、この財政健全化に貢献するとともに、特に防衛費財源の確保に重要な役割を果たします。防衛力強化のための増税は、安定的な防衛費の確保を目指すものであり、2026年度予算案では、防衛費が過去最高の水準となる見込みです。税収増は、社会保障費の増加や国債費の負担増といった財政課題を抱える日本にとって、財政運営の柔軟性を高める上で不可欠です。しかし、税負担の増加が経済活動や個人の消費に与える影響については、引き続き注視していく必要があります。

Reference / エビデンス