欧州:英中銀の金融政策とポンドの信認回復

2026年4月20日、欧州経済は中東情勢の緊迫化とそれに伴うエネルギー価格の変動という不確実性に直面している。この状況下で、イングランド銀行(英中銀)の金融政策の方向性、英国のインフレ動向、そしてポンドの信認が市場の大きな注目を集めている。

英中銀の金融政策の現状と今後の見通し

現在、イングランド銀行の政策金利は3.75%で据え置かれている。この決定は、3月19日に開催された金融政策委員会(MPC)で全会一致で決定され、2会合連続の据え置きとなった。市場の注目は、4月30日に予定されている次回のMPC会合に集まっている。中東情勢の緊迫化は、世界の石油・液化天然ガス(LNG)供給量の約5分の1が通過するホルムズ海峡の航行に影響を与え、エネルギー価格の急騰を招いている。これにより、当初期待されていた利下げ観測は後退し、一部では2026年4月と7月にそれぞれ25ベーシスポイント(bp)の利上げを予測する声も出ている。 英中銀のチーフエコノミストであるヒュー・ピル氏は4月17日、インフレ対応を最優先すべきとの考えを示しており、ベイリー総裁の「様子見」姿勢とは対照的な見解を示している。 市場では、イラン戦争によるエネルギーショックを受けて物価が上昇しているものの、エコノミストらは2026年を通じて金利が据え置かれると見ているとの調査結果もある。 しかし、短期金融市場では、今年9月までに25bpの利上げ、年末までにさらにもう1回の利上げが行われる確率を約45%と織り込んでいる。

英国のインフレ動向と経済成長予測

2026年2月の英国のインフレ率は前年同月比3.0%で横ばいだった。 しかし、基調的なインフレを示すコアインフレ率は3.2%に上昇している。 市場は、4月22日に発表される3月消費者物価指数(CPI)に注目しており、エネルギー価格の高騰がインフレを再加速させる懸念が浮上している。 国際通貨基金(IMF)は4月14日、中東紛争を要因として、2026年の英国の経済成長率見通しを0.8%に下方修正した(前回予想1.3%増)。 これは主要7カ国(G7)の中で最大の下げ幅である。 また、IMFは2026年の英国の平均インフレ率を3.2%と予測しており、前回予想の2.5%から引き上げている。 インフレ率が英中銀の目標である2%に縮小するのは、2027年終盤になると見込んでいる。

ポンドの信認と市場の反応

最近の英国経済指標の堅調さや、イングランド銀行の早期利下げ観測の後退がポンド買いを誘発している。ポンドドルは1.34ドル台後半、ポンド円は215円台に上昇する場面が見られた。 特に、中東情勢の緊迫化による「有事のドル買い」が一服し、ポンドドルは1.3475ドルを付けた後、1.3500ドル前後まで買い戻されている。 ポンド円も朝方に214.07円を付けた後、214.72円まで反発し、214円台を維持して推移している。 しかし、市場は中東情勢の不確実性や原油価格の動向が、短期的にはポンドの基調を左右する主要因であると認識している。 エネルギー価格の高騰が持続的なインフレにつながる場合、英中銀はインフレと景気減速が同時に進行する中で難しいかじ取りを迫られ、ポンドは不安定な展開となる可能性も指摘されている。

Reference / エビデンス