東亜:台湾、2026年度国防予算を大幅増額も特別予算は政治的課題に直面

2026年4月20日、台湾の財政状況と安全保障予算は、中国からの軍事的圧力の高まりと米国の要請に応える形で、大幅な変革期を迎えています。特に、2026年度の一般会計予算における国防費は過去最高水準に達しましたが、頼清徳総統が発表した特別防衛予算は、立法院での審議が停滞し、与野党間の政治的対立が顕在化しています。

2026年度一般会計予算における国防費の概要と増額

台湾の2026年度一般会計予算における国防費は、総額で約312億米ドル(約9,999億台湾ドル)に達し、前年度から22.9%の大幅な増加となりました。この額は、台湾のGDP(国内総生産)の3.32%に相当します。この国防費の増額は、中国からの軍事的圧力の強化と、米国からの国防支出増加の要請が背景にあります。台湾政府は、この予算増額を通じて、非対称戦能力の強化、兵器の国産化推進、および予備役制度の改革など、多岐にわたる防衛能力の向上を目指しています。

特別防衛予算の現状と政治的課題(2026年4月時点)

頼清徳総統は、2026年から2033年までの8年間で、総額1.25兆台湾ドル(約400億米ドル)に上る特別防衛予算を投入すると発表しました。この特別予算は、HIMARS(高機動ロケット砲システム)やジャベリン対戦車ミサイルといった重要装備の調達、F-16戦闘機のパイロット訓練の強化など、即応性の高い防衛能力の構築に充てられる計画です。しかし、2026年4月20日現在、この特別防衛予算案は立法院での審議が停滞しており、その可決には政治的な課題が山積しています。

主要野党である国民党と民衆党は、予算の透明性や使途の明確化を求め、審議に慎重な姿勢を示しています。特に、国民党に対しては、米国が3月24日を期限として早期可決を求めるなど、国際社会からの圧力も存在しました。この審議の遅れは、台湾の防衛力強化計画に影響を及ぼす可能性があり、米国をはじめとする同盟国は、台湾の防衛能力向上へのコミットメントを注視しています。

台湾の財政状況と経済的背景

2026年度の台湾の全体的な財政状況は、堅調さを維持しています。一般会計予算は均衡が保たれており、わずかながらも財政黒字が予測されています。国際的な評価も高く、ヘリテージ財団が発表した2026年版「経済自由度指数」では、台湾は世界5位にランクインしました。特に、財政の健全性や投資の自由度において高い評価を受けており、これは大規模な国防費増額を支える経済的基盤の強さを示しています。

一方で、一部の地方自治体からは、中央政府の財政運営に対して「見せかけの財政操作」との批判も上がっており、予算配分を巡る中央と地方の対立も存在します。しかし、全体としては、台湾経済は安定した成長を続けており、これが国防費増額の財源を確保する上で重要な要素となっています。

Reference / エビデンス