南方:アフリカ重要鉱物を巡る米中の投資・インフラ競争の最新動向

2026年4月16日、アフリカの重要鉱物資源を巡る米国と中国の戦略的競争は、投資、インフラ整備、サプライチェーンの再編を主要な焦点として激化の一途を辿っています。電気自動車や再生可能エネルギー技術の普及に伴い、コバルト、銅、リチウム、レアアースなどの需要が世界的に高まる中、両国はアフリカ諸国との関係強化を加速させています。直近では、4月13日の南アフリカとドイツの戦略的パートナーシップ強化、4月12日のオーストラリアと米国による重要鉱物プロジェクトへの大規模投資合意など、国際的な動きも活発化しており、経済安全保障上の意味合いが一段と深まっています。

米中によるアフリカ重要鉱物への戦略的投資の現状

アフリカの重要鉱物資源に対する米中両国の投資競争は、2026年4月16日現在、特にコンゴ民主共和国(DRC)の銅・コバルト権益を巡る動きが顕著です。中国は、2026年3月26日にDRCと鉱業分野での協力深化協定に署名しました。これに対し米国は、2026年2月に米軍および米国情報機関出身者が率いるヴァータス・ミネラルズがDRCの鉱山会社シェマフの株式取得契約(3,000万ドル)を締結し、同年3月にはDRC鉱山省およびジェカミンが売却を承諾するなど、中国企業による買収を阻止する動きを見せています。中国は「一帯一路」構想を通じて、2025年にはアフリカの金属・鉱山部門に過去最高の投資を行い、鉱山開発に154億ドル、製錬施設に200億ドルを投じました。さらに、2026年5月1日からは国交のあるアフリカ53カ国に対し100%の品目でゼロ関税措置を実施し、供給網強化を後押しする構えです。

インフラ整備を通じた影響力拡大

重要鉱物のサプライチェーン確保のため、米中両国はアフリカにおけるインフラ整備にも注力しています。米国は、ザンビアからコンゴ民主共和国南部を経てアンゴラの大西洋岸を結ぶ「ロビト回廊」への新規投資を推進しています。マイクロソフト創業者ビル・ゲイツやアマゾン創設者ジェフ・ベゾスが出資するコボルド・メタルズは、ザンビアやDRCでの採掘権益を確保し、回廊拡張への投資を模索しています。一方、中国は「一帯一路」を通じて金属・鉱山セクターへの投資を継続し、DRCのテンケ・フングルメ鉱山やカモア・カクラ鉱山を掌握しています。また、DRCのマノノリチウム鉱山やギニアのシマンドゥ鉄鉱山でもインフラ整備を先行させ、資本投入のスピードで優位を維持しています。中国は1981年以来、ザンビアの銅産出地域に31億ドル以上を投資し、タンザニア・ザンビア鉄道(TAZARA)の改良工事にも10億ドル以上を投じています。

主要国・地域の連携とアフリカ諸国の動向

2026年4月16日時点では、米国と中国以外の主要国・地域もアフリカの重要鉱物資源確保に動いています。特に、2026年4月13日には南アフリカとドイツが戦略的パートナーシップを格上げし、重要鉱物と気候変動対策で協力強化に合意しました。ドイツは南アフリカの送電網アップグレードと再生可能エネルギー導入に2億ユーロ、グリーン水素やバッテリーバリューチェーン、重要鉱物分野に2億7000万ユーロ以上を提供します。EUもアフリカの重要鉱物資源への投資を促進する「PanAfGeo Invest」を立ち上げました。日本企業もこの動きに加わっており、2026年4月3日には豊田通商がナミビアの重レアアース採掘プロジェクトに追加投資を決定しています。アフリカ諸国は、資源ナショナリズムの傾向を強め、単純な原鉱・中間品輸出から、国内での付加価値化やサプライチェーンの自律性向上を目指しています。

重要鉱物サプライチェーンの再編と経済安全保障

世界的に重要鉱物サプライチェーンの脆弱性が認識される中、各国は経済安全保障の観点から供給源の多様化と国内付加価値化を推進しています。2026年4月12日には、オーストラリアと米国が戦略的な鉱物資源プロジェクトに対し、合計で35億ドル以上の投資を行うことを発表しました。これは、両国が6ヶ月前に締結した協力協定のほぼ2倍の金額であり、中国が長らく支配してきた市場に対抗し、西側諸国のサプライチェーンの強靭性を確保する強い決意を示しています。国際エネルギー機関(IEA)の報告によると、2024年のリチウム需要は約30%増加しており、国連は2026年3月5日に重要鉱物資源を巡る国際競争において公平性を確保するよう各国に呼びかけました。米国は2026年2月4日に「2026年重要鉱物閣僚会合」を主催し、50カ国を結集して中国の鉱物資源支配に対抗する動きを見せています。

Reference / エビデンス