米国:対外軍事販売(FMS)と安保パートナーの現状と展望

2026年4月15日、米国は対外軍事販売(FMS)を通じて世界の安全保障パートナーシップを強化し続けている。しかし、その政策は新たな戦略的転換期を迎え、議会での議論も活発化している。直近の取引動向から政策変更、そして主要なパートナーシップに至るまで、米国のFMSの現状と今後の展望を詳細に分析する。

直近の主要なFMS発表と議会の動向

2026年4月14日時点の最新情報によると、米国はアラブ首長国連邦(UAE)に対し、45億ドル規模のTHAAD(終末高高度防衛ミサイル)システム売却を提案している。また、パトリオットPAC-3ミサイル関連では、2026会計年度に44億9604万ドルのFMS資金が計上されている。これらの具体的な取引は、米国の防衛産業が引き続き重要な役割を担っていることを示している。

一方で、議会では武器販売に対する監視の目が厳しくなっている。バーニー・サンダース上院議員は、イスラエルへの約5億ドル(1億5180万ドルの爆弾と2億9500万ドルのブルドーザー)の武器販売阻止を求める採決を強制する動きを見せている。これは、米国の武器販売が人道的な懸念や地域紛争に与える影響について、議会内で深い議論が続いていることを浮き彫りにしている。

「アメリカ・ファースト」戦略とFMS政策の転換

2026年2月6日に発表された「アメリカ・ファースト武器移転戦略」に関する大統領令は、米国のFMSおよび直接商業販売(DCS)の機会に大きな影響を与えている。この戦略は、米国の防衛産業基盤の強化と、戦略的に重要なパートナーへの優先的な販売に焦点を当てている。

2026会計年度の国防総省予算における安全保障協力プログラムは、この戦略に基づき再編され、同盟国との負担分担増加が目標とされている。この政策転換は、米国の安全保障協力が、単なる武器販売に留まらず、同盟国とのより強固な関係構築と、米国の国益を最大化するための手段として位置づけられていることを示唆している。

FMSの動向と課題:ピークアウトの可能性と効率化の取り組み

米国のFMSは、2024年に970億ドルという記録的な売却額を達成した。しかし、2025年には潜在的な武器売却の通知が金額ベースで約30%、件数ベースで約10%減少したことが報告されている。また、2026年初頭の契約ペースも鈍化しており、Aviation WeekのデータはFMSがピークに達した可能性を示唆している。

このような状況を受け、FMS調達の効率化に向けた取り組みも進められている。2026年1月28日に開催された日米安全保障協力協議会合(SCCM)では、FMS調達をめぐる諸課題が協議され、合理化に向けた取り組みが確認された。これは、FMSプログラムが直面する課題に対し、米国がパートナー国と協力して解決策を模索していることを示している。

主要な安保パートナーとの協力と地域戦略

米国は、インド太平洋地域における防衛態勢の構築を継続しており、主要な安全保障パートナーとの協力関係を深化させている。2026年には、フィリピンとの間で500件以上の共同軍事活動が承認されており、地域の安定と安全保障に貢献している。

2026会計年度の国家安全保障、国務省歳出法案では、国際安全保障支援に89億ドルが計上され、そのうち対外軍事資金(FMF)には62億ドルが割り当てられている。これは、米国が世界各地の同盟国やパートナー国との安全保障協力を重視し、地域ごとの戦略的優先順位に基づいた支援を継続していく姿勢を示している。

Reference / エビデンス