グローバルサウスにおける政権交代に伴う資源政策の変動と投資環境への影響
グローバルサウス諸国における政権交代は、資源の国有化や規制緩和といった政策変更を頻繁にもたらし、これが世界の資源供給、価格、そして外国からの投資環境に大きな影響を与えています。特に、中東情勢の緊迫化や重要鉱物資源を巡る国際競争が激化する中で、これらの動向は日本を含む各国にとって経済安全保障上の重要な課題となっています。本稿では、2026年4月11日を基準日として、直近の具体的な政策変更や市場の反応、および将来的な投資戦略に焦点を当て、グローバルサウスにおける資源政策の変動が投資環境に与える影響を詳細に分析します。
グローバルサウスにおける資源政策の最新動向と政権交代の影響
2026年4月10日、南米ベネズエラ議会は新たな鉱業法を可決し、金などの戦略鉱物の開発を民間および外国資本に開放する方針を打ち出しました。この法案は、最大30年(延長含め最長50年)の鉱区権益を付与する仕組みを導入しており、南米における資源開発の規制緩和が加速している現状を示しています。ブラジル日報の報道によると、ベネズエラやアルゼンチンといった国々で外資開放の動きが見られ、外国投資家にとって新たな機会が生まれる一方で、環境との緊張が高まる可能性も指摘されています。
これまでのグローバルサウス諸国では、政権交代が資源の国有化や外資規制強化につながるケースが多く見られました。しかし、ベネズエラの今回の動きは、経済再建や外貨獲得を目的とした政策転換の一例であり、政権交代が資源政策に与える影響の多様性を示唆しています。外国投資家にとっては、長期的な権益確保の可能性が高まる一方で、政情不安や政策の再転換リスクも考慮に入れる必要があります。
中東情勢と資源価格の変動がグローバルサウスの投資環境に与える影響
中東情勢の緊迫化は、世界の資源価格、特に原油価格に大きな影響を与え、グローバルサウスの投資環境にも波及しています。2026年4月10日の閣議で、高市早苗首相は日本が輸入石油の95%を中東に依存している現状に言及し、2026年5月から20日分の石油備蓄を追加放出する計画を発表しました。これは、中東情勢の不安定化が日本のエネルギー安全保障に与える影響の大きさを物語っています。
2026年4月9日には、中東情勢に伴う重要物資の安定供給確保のためのタスクフォースが開催され、原油価格高騰による新興国経済への影響が議論されました。国連開発計画(UNDP)は、2026年にアフリカのGDP成長率が0.2ポイント減少する可能性を指摘しており、原油価格の高騰がグローバルサウス諸国の経済に深刻な打撃を与える懸念が高まっています。このような状況を受け、2026年4月8日にはハナ金融グループが資源安保危機警報3段階格上げを受け、13日から車両2部制を自主的に施行するなど、金融界全体で省エネ対策が拡散しています。資源価格の変動は、グローバルサウス諸国の財政状況を悪化させ、インフラ投資や社会開発プロジェクトへの資金流入を阻害する可能性があります。
重要鉱物資源を巡る国際競争とサプライチェーン再編
電気自動車や再生可能エネルギーの普及に伴い、リチウムやコバルトといった重要鉱物資源の需要が世界的に高まり、これを巡る国際競争が激化しています。2026年4月8日付のジェトロの報告書によると、中国は2025年にアフリカの金属・鉱山部門に過去最高の投資額を記録しました。具体的には、鉱山開発向けに154億ドル、製錬など処理施設向けに200億ドルを投資しています。さらに、中国は2026年2月にアフリカ53カ国へのゼロ関税措置を発表するなど、グローバルサウスにおける権益拡大戦略を積極的に推進しています。
このような中国による権益拡大に対し、米国や欧州各国も重要鉱物資源のサプライチェーン再編に向けた動きを加速させています。各国は、特定の国への依存度を低減し、安定的な供給源を確保するため、グローバルサウス諸国との連携強化や新たな採掘・精錬技術への投資を進めています。この国際的な権益争奪は、グローバルサウス諸国にとって、経済発展の機会となる一方で、大国間の競争に巻き込まれるリスクもはらんでいます。
日本企業のグローバルサウス投資戦略と支援策
日本企業も、グローバルサウスにおける資源確保と市場開拓の重要性を認識し、投資戦略を強化しています。政府もこれを後押しするため、様々な支援策を講じています。2026年4月8日には、「令和6年度補正 グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」のFAQが差し替えられ、大型実証事業における非ASEAN加盟国への支援が明確化されました。
また、2026年3月23日に開催されたグローバルサウス・官民共創インパクト投資フォーラムでは、日本企業がグローバルサウスへの投資を強化するための議論が行われました。特に、2025年に改正されたJICA法により、途上国向け投資保証や債券購入の可能性が拡大しており、日本企業の海外投資リスクを軽減する枠組みが整備されています。さらに、社会課題解決と経済的リターンを両立させるインパクト投資は、2024年に17兆円規模に達しており、グローバルサウスにおける持続可能な開発に貢献する新たな投資手法として注目されています。日本企業は、これらの政府・民間による支援策を活用し、グローバルサウスの潜在的な成長力を取り込むための戦略的な投資を進めることが求められています。
Reference / エビデンス
- 南米=資源開発へ規制緩和が加速=ベネズエラやアルゼンチンも=外資開放、環境との緊張高まる - ブラジル日報
- 日本は供給安定化のため、2026年5月から20日分の石油備蓄を追加で放出する予定だ。
- 2026/4/10 Minister Akazawa's Press Conference - YouTube
- 【2026年4月10日】アフリカ関連重要ニュース|コーヒーと万年筆 - note
- 金融界全般にも車両2部制(奇数偶数制)が拡散している。8日
- ザンビア、DRC、ジンバブエ重要鉱物(1)表面化する米中対立 | 高まる経済安全保障リスク、各国・地域の自律性向上と不可欠性確保に向けた戦略とは - ジェトロ
- グローバルサウス、重要鉱物資源を巡る権益争奪と国家間連携の最前線 - Vantage Politics
- 令和6年度補正 グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(大型実証 非ASEAN加盟国)
- グローバルサウス向けのインパクト投資、官民で強化へ - オルタナ