2026年4月8日時点:グローバルサウスにおける地域経済共同体の発展と貿易障壁の最新動向分析
2026年4月8日、グローバルサウス諸国は、地域経済共同体の発展と貿易障壁の動向という二つの大きな潮流の中で、経済成長の道を模索している。世界経済の不確実性が高まる中、各国は地域内連携の強化と同時に、新たな貿易保護主義の動きへの対応を迫られている。
グローバルサウスの経済成長と見通し:2026年4月時点の最新予測
グローバルサウス各地域の経済成長予測は、中東情勢の緊迫化が影を落としている。世界銀行が2026年4月8日に発表した報告書によると、サブサハラ・アフリカの2026年の経済成長率予測は4.1%に下方修正された。これは2025年10月時点の推定から0.3ポイントの引き下げとなる。同報告書は、中東戦争の勃発以降、燃料と肥料価格が上昇し、投資フローが脅かされていることを指摘している。
一方で、アフリカ開発銀行は同日に発表した「2026年版アフリカ・マクロ経済パフォーマンスおよび見通し(MEO)」報告書で、アフリカ全体の2026年の成長率が4.3%で安定すると予測している。 しかし、中東の軍事衝突が6カ月を超えて継続した場合、2026年のアフリカのGDP成長率は0.2ポイント低下する恐れがあるとの試算を、アフリカ開発銀行、アフリカ連合、国連開発計画、国連アフリカ経済委員会が4月9日に共同で公表した政策報告書で示している。
アジア太平洋地域に目を向けると、アジア開発銀行が4月10日に発表した見通しでは、中東情勢の緊張が9月末まで継続した場合、アジア太平洋新興国・地域の2026年経済成長率は4.7%に減速するとの予測が示された。 これは、エネルギー価格の高騰に加え、ホルムズ海峡封鎖による輸送の混乱が農業や半導体生産にも影響を及ぼす可能性を分析したものだ。
主要な地域経済共同体の発展状況と統合の進展
グローバルサウスにおける地域経済共同体(REC)は、統合の深化と拡大を続けている。東アフリカ共同体(EAC)は、域内関税撤廃、対外共通関税の適用、モノ・ヒトの移動の自由化を推進しており、アフリカで最も統合度が高い共同体の一つとして知られている。 EACはケニア、タンザニア、ウガンダ、ルワンダ、ブルンジ、南スーダン、コンゴ民主共和国、ソマリアの8カ国が加盟しており、将来的な地域統合を目指している。
中米地域では、パナマが2026年3月25日までに中米経済統合プロセスに正式参加した。これにより、関税撤廃や共通関税の採用、規格統一などを通じて域内のビジネス環境改善が期待されている。
一方、ASEANは2026年も安定した成長を想定しているものの、2025年12月11日の見通しでは、保護主義的な動向や地政学リスクが残るという課題も指摘されている。
貿易障壁の現状と新たな動向:2026年外国貿易障壁報告書を中心に
2026年4月8日時点の貿易障壁の現状は、米国通商代表部(USTR)が3月31日に公表した「2026年外国貿易障壁報告書(NTE)」によって詳細に示されている。
タイに対しては、農業分野で豚肉の輸入禁止や牛肉内臓の輸入制限などが指摘された。知的財産分野ではオンライン著作権侵害や偽造品の販売が問題視され、労働・環境分野では結社の自由と団体交渉権に関する懸念、および違法野生生物取引の供給源・経由地・目的地となっていることが挙げられている。
フィリピンに関しては、税関部門の汚職が主要な貿易障壁であると批判されている。
また、欧州連合(EU)の炭素国境調整メカニズム(CBAM)が2026年初から本格適用され、2026年の排出分から課金徴収の対象となる。このCBAMは、詳細な実施規則の公表遅延や第三者検証機関の不足、デフォルト値に懲罰的な上乗せが含まれる点などが指摘されており、米国企業にとって新たな貿易障壁となる可能性が4月9日の報告で示唆されている。
日本とグローバルサウスの経済連携強化に向けた取り組み
日本は、グローバルサウス諸国との経済連携を強化するため、具体的な取り組みを進めている。経済産業省は、「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(小規模実証・FS事業)」の2025年度補正予算の公募を2026年4月17日から5月11日まで実施する予定だ。 この事業は、グローバルサウス諸国の社会課題解決と日本企業の海外展開、経済安全保障の確保を目指している。
具体的な事例として、大和ハウス工業は2026年2月27日から、ウクライナ公営住宅向けプレハブ住宅のFS(フィージビリティ・スタディ)事業を開始した。 これは、経済産業省の「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(ウクライナ復興支援・中東欧諸国等連携強化)」に採択されたもので、ウクライナの住宅復興支援に貢献するとともに、同社の中東欧市場での物流網再構築にも活用される見込みだ。
Reference / エビデンス
- 米USTR、タイの農業・知財・労働に焦点を当て貿易障壁を指摘、2026年外国貿易障壁報告書(タイ編)(タイ、米国) | ビジネス短信 - ジェトロ
- 緊迫続くイラン情勢とアフリカへの影響:(1)東アフリカ | 住友商事グローバルリサーチ(SCGR)
- 中東情勢長期化の場合、2026年のアフリカ成長率は0.2ポイント低下の恐れ - ジェトロ
- Africa Economic Update: Making Industrial Policy Work in Africa (April 2026) [EN/PT] - World
- 【2026年4月9日】アフリカ関連重要ニュース|コーヒーと万年筆 - note
- 第1四半期のGDP成長率は前年同期比7.83%、今後は中東情勢の悪化で不透明感も(ベトナム)
- 2026年版「アフリカ・マクロ経済パフォーマンスおよび見通し(MEO)」報告書発表
- 世界銀行は2026年のラテンアメリカおよびカリブ地域の経済成長を下方修正 | Bitgetニュース
- 「中東の緊張」継続なら中国・インドなどアジア太平洋の経済は大幅減速…26年の成長率4・7%と予測 - 読売新聞オンライン
- 2030年に向けた世界経済地図|注目すべき10の成長国 | 株式会社SoJapan
- 緊迫続くイラン情勢とアフリカへの影響:(1)東アフリカ | 住友商事グローバルリサーチ(SCGR)
- 中国首相、ASEAN・湾岸諸国に貿易障壁の撤廃呼びかけ...「開放拡大と障壁撤廃に取り組む必要がある」 - ニューズウィーク
- 経済展望 2026年ASEAN域内展望 - シンガポール日本商工会議所
- 中米経済統合プロセスに正式参加(パナマ) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース
- EUと南米の巨大経済圏、統合への強行突破。ビジネスパーソンが知るべきメルコスールFTAの全貌
- 米USTR、タイの農業・知財・労働に焦点を当て貿易障壁を指摘、2026年外国貿易障壁報告書(タイ編)(タイ、米国) | ビジネス短信 - ジェトロ
- 米「不正は主要な貿易障壁」 - フィリピン - ASEAN経済通信
- 米USTR、EUのCBAM本格実施やデジタル規制・標準化の執行強化を新たな貿易障壁として指摘、2026年外国貿易障壁報告書(EU編)(米国、EU) - ジェトロ
- アジア経済見通し
- 令和7年度補正予算 グローバルサウス未来志向型共創等事業(小規模実証・FS事業) 第1回公募に向けた最新動向と準備ポイント | イースクエア
- 令和7年度補正 グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(小規模実証・FS事業)
- 過去情報(グローバルサウス未来志向型共創等事業) - 経済産業省
- 経済産業省の令和6年度補正「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金 」事業に採択
- 「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」≪2次公募≫(令和6年度)