グローバルサウス:非米ドル決済網の構築と通貨の多極化

2026年4月8日、世界経済は歴史的な転換点に立っています。グローバルサウス諸国が主導する非米ドル決済網の構築と通貨の多極化の動きは、国際金融システムの根幹を揺るがし、ドルの支配的な役割に変化をもたらしつつあります。BRICS諸国や中国の戦略的な取り組み、そして広範なグローバルサウスにおける脱ドル化の加速は、新たな国際経済秩序の形成を予感させます。

BRICSによる非米ドル決済システムの進展

BRICS諸国は、米ドルを介さない国境を越えた貿易決済を目指し、具体的な行動を開始しています。2026年2月には、ブラジルを拠点とする新たな決済システム「DCMS(Decentralized Cross-border Messaging System)」が導入されました。このシステムは、ブラジルの革新的な決済技術であるPixと分散型ブロックチェーンネットワークを基盤としており、加盟国間の直接的な金融取引を可能にします。BRICS Payプラットフォームも2026年中の稼働が予定されており、SWIFTに代わる選択肢として、加盟国のデジタル通貨を相互接続する計画が強調されています。

2026年のBRICS拡大は、この脱ドル化の取り組みをさらに加速させています。2026年2月27日の報道によると、拡大後のBRICSは世界のGDPの35%以上、人口の45%を占める規模に達しており、その経済的影響力は無視できないものとなっています。

中国主導の人民元国際化とデジタル通貨戦略

中国は「人民元国際化2.0」を本格化させており、その戦略は2026年3月の全国人民代表大会でも活発に議論されました。デジタル人民元(e-CNY)は、その中核をなす要素です。2025年までに、ロシアとの二国間貿易の約20%でe-CNYが使用されるに至っており、ブラジルやサウジアラビアとの間では、石油・ガスなどの商品取引におけるe-CNYの試験運用が進められています。

中国は、デジタル人民元を現金型から預金型へと移行させ、中央銀行デジタル通貨(CBDC)を活用したクロスボーダー決済において「国際標準」を確立しようとする強い意欲を示しています。2026年には、湾岸協力会議(GCC)諸国や中央アジア、アフリカ諸国との貿易・投資協定交渉を加速させており、人民元の国際的な影響力拡大を図っています。

グローバルサウスにおける脱ドル化の広がりと各国の動向

グローバルサウス全体で脱ドル化の動きが加速しており、2026年7月9日の報告では、140カ国以上がCBDCの導入を検討しているとされています。ロシアのデジタルルーブルは2025年1月に正式に開始され、SWIFT制裁への対抗策として、中国やインドとのエネルギー取引に利用されています。2026年9月までの大規模な導入計画が進行中です。

2026年3月3日に世界経済フォーラムが発表した「通貨の未来像」に関する専門家の見解は、グローバル経済が根本的な変革期にあるという認識を共有しています。これは、単一通貨への依存から多極的な通貨システムへの移行が不可避であることを示唆しています。

日本および国際機関のグローバルサウス連携強化の動き

日本政府もまた、グローバルサウスとの連携強化を推進しています。経済産業省は「グローバルサウス未来志向型共創等事業」を展開しており、2026年3月30日には令和7年度補正事業の公募が開始されました。この事業には総額約1,546億円の予算が計上されており、2026年4月8日には同事業のFAQが更新されるなど、具体的な動きが見られます。

国際的な枠組みにおいても、グローバルサウスとの連携強化が進んでいます。2026年3月26日には「2026年グローバルサウス金融フォーラム」が開催され、30カ国以上の政府関係者や銀行関係者が集結し、より包摂的で持続可能な金融協力の強化を目指すことで合意しました。 また、2026年4月8日のEBCニュースレターは、グローバルな枠組みと経済関係が急速に変化する中で、欧州と日本のパートナー間の継続的な対話の重要性を強調しており、多極化する世界における協力の必要性が認識されています。

Reference / エビデンス